血液型ダイエットなどでは、A型は農耕民、B型は遊牧民、O型は狩猟採集民、とかいうことになっています。血液型と関係なくても、人の性格をなんとなく分類するのに「農耕民」「狩猟民」といった表現が使われることがあります。 ファシズムのことを続けて書きましたが、ファッショと言えば狩猟民。『愛と幻想のファシズム』なんて、そのままズバリ「狩猟社」という組織が物語の中心です。ファシストやファシスト好きには、「狩猟民」という言葉にワクワクする方が多いようです。別にファシストでなくても、「狩猟民」の方が「農耕民」より何となくカッコイイ印象を受けるのではないでしょうか。 その気持ちはわかります。 農耕によって覆い隠されてしまった「本来」の人類というイメージは、近代により疎外されたものを想起させます。これはあながちただのアナロジーではなくて、近代の枠組みの多くは農耕にこそ由来するでしょう。「計画的」生産活動、手続