米国ラショナルソフトウェア社(現在はIBMの1部門)が、初期のオブジェクト指向(注1)をベースとしたソフトウェア開発に携ってきた企業・人々のさまざまな経験、専門知識、プラクティスを取り入れて、包括的な体系としてまとめたソフトウェア開発プロセス・フレームワーク、またはそれをサポートするプロセス製品。 RUPの特徴はユースケース(注2)を開発の基点とし(ユースケース駆動)、開発するソフトウェアの基本構造を早期に設定する(アーキテクチャ中心)が、ウォーターフォール(注3)のように始めから完全な形の完成品を想定するのではなく、重要な機能やリスクの大きな機能をユースケース単位にイテレーションを繰り返しながら構築する(反復型開発)ことなどである。また、RUPのプロセスは組織やプロジェクトごとにカスタマイズして利用する(カスタマイズ可能)ものとして構成されており、1つのプロセスではないので「プロセス・フ
IT業界を主として、ここ3年ほどの間にPMBOK(注1)やPMP(注2)は大きな広がりを見せました。またPMI(プロジェクトマネジメント協会)の会員数とPMPの資格取得者は急激に増加しています。 ※注1: PMBOK: アメリカの非営利団体PMI(Project Management Institute)が策定したプロジェクトマネジメントの知識体系を記述したものであり、事実上の標準として世界中で広く受け入れられている。 官公庁や大手の開発においても、PMP資格取得者によるプロジェクトマネジメントを義務づける場合も多くなってきました。また顧客側情報システム部の担当者などもPMPを取得するようになり、営業担当者が顧客側の情報システム部と開発企業側の開発部との初期段階の橋渡しを行うためにPMP資格を取得するということもあります。筆者が講師をしている大手SIerのPMP試験対策講座でも、営業担当者
今回から数回にわたって、プロジェクト管理について考えてみる。一つお断りしておくが、ここでいうプロジェクト管理とはプロジェクト規模が最低でも数十人程度から数千人、ときには数万人にいたる大規模なプロジェクトを指す。小さなプロジェクトにおいても大きなプロジェクトにおいても、基本的にやることは変わらない。しかし、小さなプロジェクトであれば口頭ですんでしまうようなことでも、大きなプロジェクトでは、利害関係者一同の認識の共有化をはかるためにドキュメント化したり、会議を開いたりとより大きなエネルギーと異なるスキルと能力を求められるからである。 ■プロジェクト管理 プロジェクト管理の3大目標は、 Quality 品質 Cost 原価 Delivery 納期 であると言われている。しかし、IT開発プロジェクト、特に近年のグローバル化、企業間競争の激化などの影響により、顧客からはより高品質でより安く、しかもよ
最近、日本の国際競争力は低下傾向にあると言われています。家電や自動車、ゲームなどまだまだ元気な産業もあるでしょう。しかし、造船や鉄鋼、半導体のようにかつては花形だったのに、その地位を奪われつつある産業も少なくありません。まして、建設・土木業やIT産業は、国内需要に甘んじて努力を怠り、一度も国際競争力を持てる水準になったことがありません。 IT業界の一員として、現在の国際競争力のなさに非常に歯がゆい思いがしています。しかし、なんとか巻き返しをと考えてみても、新技術の創造性、要素技術の保有、開発生産性、そして仕様や契約面でも、なかなか勝てる部分が思い当たりません。IT関連技術やソフトウェア製品は、米国やイスラエルなどの海外製品に圧倒され、残った労働力も中国やインド、韓国の技術者たちに脅かされつつあります。 そんな中、唯一これが突破口になるのではと期待しているのが「プロジェクト管理」です。プロジ
the project management body of knowledge / ピムボック / ピンボック / プロジェクトマネジメント知識体系 米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)が取りまとめたプロジェクトマネジメントに関する知識体系。各種プロジェクトを実施する際のフレームワーク――基本的な考え方、手順、ツールとして利用される。事実上の国際標準になっている。 以下の8つのマネジメント項目と、それを統合的に管理する“統合マネジメント”の9つの知識エリアで構成され、プロジェクトを統合的にマネージするためのガイドラインとして利用される。 スコープ(開発の目的とその範囲) タイムスケジュール コスト管理 品質管理 人的リソースの管理(顧客、開発サイド含む)(顧客、開発サイド含む) コミュニケーション(コミュニケーションの方法と適用シーンの決定) リスク管理 調達管理 PMBOKの特徴
デスマーチを止める進ちょく管理の現実解:GanttProjectの導入で進ちょくをコントロールする:明日からできるプロジェクト管理(1)(1/4 ページ) 開発プロジェクトは、何もしなければどんどん混乱していく。計画は破綻し、成果物は四散し、開発要員の心理はズタズタになる。混乱を収拾するのは容易ではない。開発プロジェクトの立ち上げ段階から秩序を導入し、整理整頓されたその状況をカットオーバーまで維持すること。もちろん、それは口でいうほど簡単なことではないのだが、まったく無理なことでもない。本連載では、プロジェクトに秩序をもたらすさまざまな手法を、開発プロジェクトの段階を追って解説していく。そして、手法の説明だけではなく、具体的なツールを使って「どうすれば効率的な管理が可能なのか」という現実的な提案も行うつもりである。ここで使用するツールはすべてオープンソースのプロダクトである。効果的な方法を
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