社説天声人語Astandなら過去の朝日新聞天声人語が最大3か月分ご覧になれます。(詳しくはこちら) 狂言の演目に「悪太郎」というのがある。大酒飲みで乱暴な悪太郎は、伯父が自分の不行状を心配し、快く思っていないのが不満だ。あるとき押しかけて薙刀(なぎなた)を振り回し、大酒を飲んで泥酔のあげく、帰り道で寝込んでしまう▼心配で見に出た伯父は、何とか改心させたいと、寝ているうちに薙刀を取り上げ、頭を剃(そ)って僧形に変える。あれやこれやで、ついに心を入れ替える筋立てなのだが、何やらを彷彿(ほうふつ)させる。国際社会の「悪太郎」を改心させる責任感が「伯父」にあるのかどうか。お察しのとおり北朝鮮と中国である▼狂言とは違い、さんざん甘やかしてきた。3月に韓国の哨戒艦を攻撃し沈没させた件でも、国連安保理の非難決議を断念させた。こちらの悪太郎は懲りることなく、酒量は増し乱暴はエスカレートするばかりだ▼中国