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ブックマーク / artscape.jp (11)

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    1960年代中頃からアメリカを中心に現われた、主に写真をもとにしてエアブラシなどでそれを徹底して写実的に描きとる絵画動向。名称はこの動向の先駆者のひとりであるマルコム・モーリーが用いたのが始まりとされるが、「ハイパーリアリズム」「フォトリアリズム」の別名で呼ばれることもある。とりわけ72年の「ドクメンタ5」でこの動向が大きく取り上げられ、注目を集めた。無表情なモデルや何ら特色のない都市風景(特に自ら合成したパンフォーカスの白々しい風景を描くリチャード・エステスに顕著)といった、感情を限りなく排した描写対象の選択、そして現実の写生ではなくカメラという機械が捉えた写真をあらためて機械的になぞる(多くは写真をプロジェクターでキャンヴァス上に投影して転写する)手法。これらの特徴において、スーパーリアリズムは現実を虚構として醒めた目で見つめるポップアートや、没個性主義を深めたミニマリズムなど同時代の

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    1960年代末から70年代初頭にかけて現われた、「具体」と並ぶ戦後の日美術史の重要動向。主に木や石などの自然素材、紙や鉄材などニュートラルな素材をほぼ未加工のまま提示することで主体と客体の分け隔てから自由に「もの」との関係を探ろうと試みた一連の作家を指す。作品を取り囲む空間を意識させる点では、60年代後半の「環境」への注目とも関係しており、インスタレーションの先駆ともいえる。関根伸夫の作品《位相-大地》(1968)が嚆矢とされたが、明確なグループが形成されたわけではない。関根以外の主な作家は李禹煥、菅木志雄、高松次郎、成田克彦、吉田克朗、小清水漸、榎倉康二、野村仁、狗巻賢二、原口典之、高山登らで、特に李を理論的支柱として展開した。グループを形成したわけでない以上、生前に自身はもの派でないと述べていた高松次郎など、作家、論者によってもの派と呼ぶ作家の範囲には幅がある。彼らに目立つ「作らない

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    アート・アーカイブ探求 「アート・アーカイブ」の独自性と可能性を探求するインタビューシリーズ。鑑賞の視座や注視点、美の探究に必要な知識や絵画の鑑賞方法について。

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    関係(性)の芸術。作品の内容や形式よりも「関係(relation)」を重んじる芸術作品を総称的に示す言葉として、1990年代後半より広く用いられるようになった。ここでの「関係」という言葉は作品と鑑賞者とのあいだに生じる関係を指すようにも思えるが、この場合どちらかと言えば作品の制作過程で生じる周囲との接触関係のほうに重点が置かれていると言えるだろう。なぜならリレーショナル・アートは、ある状況や出来事を生み出す過程、およびそれにともなう人々の「参与(participation)」をその質とするからである。この点においてリレーショナル・アートは、鑑賞に際する「作品」と「鑑賞者」との相互作用を重視するインタラクティヴ・アートとは区別される。以上の意味でのリレーショナル・アートは、フランス出身のキュレーターであるニコラ・ブリオーが90年代に開催した「トラフィック」展や著作のなかで用いたことにより、

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    quasimoto_san 2015/07/06
    “〜ある状況や出来事を生み出す過程、およびそれにともなう人々の「参与(participation)」をその本質とする〜”
  • オルタナティヴ・スペース:現代美術用語辞典|美術館・アート情報 artscape

    「多目的空間」。読んで字のごとく、美術作品専用の空間である美術館や画廊と異なり、必ずしも狭義の美術には当てはまらない作品発表や活動が可能な展示スペースのこと。美術史的には、1969年及び70年にマンハッタンのグリーン街98番地と112番地に登場した非営利目的の小ホールが最初の「オルタナティヴ・スペース」とみなされている。当時まだ黎明期だったインスタレーションやパフォーマンスは、主にこうした空間を中心に発展し、またその展開に付随して各国でも同様のスペースが次々に誕生、カナダでは「パラレル・ギャラリー」とも呼ばれた。その意味では「オルタナティヴ・スペース」とは70年代美術の時勢と同調した空間であり、後により組織化された空間へと変質していったのは当然の帰結と言えよう。なお日でも、「オルタナティヴ・スペース」は80年代以降活発に展開されるのだが、「ラフォーレ」や「スパイラル」など、民間企業が主導

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    芸術表現はそれぞれのジャンルに固有のメディウムへと純化されるべきである、とするクレメント・グリーンバーグによるモダニズムの規定(メディウム・スペシフィシティ)に抗して、アメリカの美術批評家ロザリンド・E・クラウスが2000年頃より提唱している概念。クラウスは、様々なメディウムの領域横断的な使用が美術作品の制作における所与となった1970年代以降の状況を指して、ポストメディウムの条件ないしポストメディウム的状況(post-medium condition)という言葉を用いている。彼女によれば、こうした状況下では、芸術表現はそのジャンルに固有のメディウムに還元できないため、グリーンバーグによるメディウム・スペシフィシティの理論は有効性を持たない。そこでクラウスは、「自動性」(スタンリー・カヴェル)や装置論などの映画理論の諸概念を参照しつつ、芸術制作における様々な約束事(convention)を

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    Musicologie Générale et Semiologie, Jean-Jacques Nattiez 1987年にフランスで刊行された『Musicologie Générale et Semiologie』(原題『一般音楽学と記号学』)の日語訳で、1996年に初版、2005年に新装版として復刊。書は、序論で記号学の理論が概説された後、第1部の音楽の基礎概念にかんする考察、第2部の音楽的言説の分析、第3部の音楽の各パラメータの記号学的分析という構成である。音楽記号学の起源をさかのぼると、1971年の『ムジーク・アン・ジュー』第5号所収のナティエによる論文「音楽記号学の状況」から始まったと言われる。その背景には、かつて西洋中心主義の価値観の下で比較音楽学と呼ばれた民族音楽学が言語学文化人類学、民俗学、社会学などに接近し、文化相対主義的な新しい流れをつくったことが大きく関与して

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    芸術作品を論じるにあたり、客観的な価値基準や体系化された理論に拠らず、主観や印象を重視する批評スタイルのこと。18世紀には最初の美術批評家とされるディドロが直観的判断に基づいた時評を行なっていたが、その後、作品の客観性について考察する新古典主義と、より主観的な批評に傾いたロマン主義の対立が明確になることで、印象批評が成立する基盤が整ったと考えられる。興隆期は19世紀。代表格としては、自己の内的なヴィジョンを作品に投影し、作品が生み出す効果の分析から出発した唯美主義者のウォルター・ペイター、最高の批評は「個人的な印象のもっとも純粋な形式」であるとし、それ自体に独立した創作物としての価値を授けたオスカー・ワイルド、学識による思想体系化に抗い、「偏向的」で「情熱的」な批評を信条とした詩人兼批評家のシャルル・ボードレールらが挙げられる。個人的経験の記述に終始するおそれがあること、また理論化への手続

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  • アレゴリー:現代美術用語辞典|美術館・アート情報 artscape

    寓意、寓意像の意。語源はギリシア語の「allegoria」で、「別のものを語る」という意味である。抽象的な概念や思想を、具体的形象によって暗示する表現方法であり、その主要手段は擬人化、擬動物化である。「正義」の観念を剣と天秤をもった女性像で表わしたり、「狡猾」を狐で表現するなどがその例である。また白色が清純を、聖母マリアのマントの青色が「天の女王」の意味を表わすといった、絵画的表現もそれと言える。アレゴリーの他の特色として認められるのは善悪の対比による宗教や道徳上の教訓、風刺の要素をもつことで、これは特に文学的表現において用いられる。例えばイソップやラ・フォンテーヌの寓話(fable)にみられる。歴史的にはギリシア人が神話中の人物を哲学的真理の現われとして解釈し始めたときに起こり、さらにキリスト教神学と中世の実在論哲学において発展した。16-17世紀にはチェザーレ・リーパの『イコノロジア』

    quasimoto_san
    quasimoto_san 2013/04/04
    “抽象的な概念や思想を、具体的形象によって暗示する表現方法であり、その主要手段は擬人化、擬動物化である。”
  • 2007年のアートシーン|音楽/吉田寛

    2007年の音楽シーンを予見するといっても、すべてのジャンルを俯瞰することはあらゆる面で不可能なうえに、かつての現代音楽のような明確な参照点はもはや存在しないので、ここでは、今年音楽をめぐって問題になりそうな事柄を、特定のジャンルを前提にせず、かつあえて極々個人的な興味や知識に基づいて書かせて頂きたい。 今年はMP3プレーヤーが初めて発売されて10周年にあたるが、当初は「より便利で軽快なウォークマン」として登場したデジタルオーディオプレーヤーは、今やコンサートやラジオはもちろん、各種録音メディアをも凌ぐ、われわれの音楽体験の主要な場となっており、またマーケティング的には、デジタルコンテンツ産業と一体化し、音楽という財のカタログ化と所有、支配と管理をめぐる主戦場となっている。かつてアドルノがレコードを対象に考察を行なったように、われわれはMP3(他のフォーマットでもよいが)という形式の技術

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