さすがに、美術品を購入することは、責任ある機関投資家の投資としては認められないと思われますが、優れた美術品に経済的な価値のあること、その価格が騰貴してきたこと、これも事実です。審美眼のあるお金持ちにとって、アートは優れた投資対象かもしれませんね。 社会的責任ある機関投資家にとっては、なんでもかんでも投資対象になるわけではありません。これは、様々な機会に私が繰り返し述べてきたことですが、責任ある投資家にとっての投資対象の適格性の要件は、キャッシュフローを生むことです。利息配当金や賃貸料などのキャッシュ(現金)を生む可能性のないものは、適格な投資対象としての資産ではないということなのです。 この視点から、いつも争われるのが、金、あの金の地金です。金は、人類の歴史とともに古い資産で、歴史的には、つい最近まで貨幣の通用力を支える信用制度の基礎に置かれてきた経緯もあって、資産性に疑義がないどころか、