素粒子物理学者であり、広島原爆の被曝者でもある沢田昭二さん(名古屋大学名誉教授)には、昨年の日米学生の広島長崎の旅でお会いし、長崎で沢田さんの講義の通訳を務める機会に恵まれました。政府や大手メディアが放射線被曝について語るとき無視・軽視しがちな「内部被曝」の危険性とその重要性はいくら強調しても強調し過ぎることはありません。このサイトでは「内部被ばくについて」というコーナーも設けています。今回は『日本の科学者』6月号に掲載予定の沢田さんの新論文を掲載いたします。(特に大事だと思うところを、ブログ運営者の判断で青字で表示しました。) 沢田昭二 はじめに 3月11日の巨大地震と大津波によって東京電力福島第一原発はスリーマイル島原発事故を上回る大事故を引き起こした.いまなお安定的な冷却が実現できないばかりか,燃料棒の露出による水素爆発の危険性は継続している.放射能が強いためその放出箇所の特定もでき