健康寿命を延ばし、介護されずに“ピンピンコロリ”を実現するためには、食生活において何が必要なのか―。健康にいい食事というと、メタボ対策になる“粗食”がいいというイメージがあるが、人生後半の食生活においてはその選択は間違いだ。本特集では、老化を遅らせ、寝たきりにならないための食生活のポイントを、老化を遅らせる食生活指導の第一人者である元・人間総合科学大学教授の熊谷修さんに聞いていく。 上げ膳据え膳の生活は、要介護度を高めてしまう どうすれば寝たきりになったり、介護されたりすることなく健康で長生きできるのか―。それは、シニア世代はもちろん、「人生後半」に入ってきたミドル以上のすべての人にとって、重要な関心事の一つだろう。 「寝たきりにならないためにするべきこと」というと、「筋肉の衰えを防ぐこと」、つまり筋トレ、ウォーキングなどの運動をまず思い浮かべる人も多いだろう。もちろん運動も老化を遅くする