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ブックマーク / www.brh.co.jp (4)

  • 発生生物学の静かな革命

    VOL.9 動物の形の多様性という名の変奏曲集II てのひらと指 近藤寿人(JT生命誌研究館 顧問・表現ディレクター) 題に入る前に、次回のテーマの一つとも関連する、首の長さについて少し考えてみましょう。『首が長いキリンでも、首が短いヒトでも、首の骨(頸椎)の数は同じで7個』ということは、どこかでお聞きになったのではないかと思います。哺乳類には大小様々、陸上のもの海のものなど生活も様々――にもかかわらず、哺乳類の頸椎の数は7と決まっているのです。キリンは、各々の頸椎が長くなったことによって首が伸びたのですが、最近のキリンのゲノムとオカピ(キリンの最近縁種だが首は短い)のゲノムの比較から、どのような遺伝子(結構たくさん)の変化によってキリンは長い頸椎と首を持つに至ったかについての、重要な情報が得られました[文献1]。キリンとオカピのゲノムの比較から得られる知見については、帯刀益夫博士がその

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  • Special Story O157が生まれた理由

    1996年、O157で死者が出た時は、大騒ぎになりました。大腸菌というなじみの菌の仲間になぜそんな恐ろしいものがあるのだろう。研究室で使われているK-12株と比べた結果、大腸菌ゲノムとしての共通の基骨格(410万塩基対)があり、それに外からの遺伝子を取り込んで、さまざまな株になっていくことがわかりました。それはどこからどうやって入ってくるのか。ゲノムの中にたくさん存在する、どう見てもファージ(ウイルス)としか見えないDNAが怪しい・・・・・・ゲノムの進化と多様性のダイナミズムの基が見えてきます。 おなじみの大腸菌も、じつは多様な菌株の集団なのだ。通常の大腸菌は動物や鳥類などの腸管に棲息する常在菌であり、ヒトに対する病原性はない。遺伝子組換え実験などに広く利用されているK-12株はその代表である。しかし安心してはいけない。腸管病原性大腸菌や尿路病原性大腸菌、新生児の髄膜炎を起こす菌などさ

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  • RESEARCH ウイルスに寄生する「小さな核酸」

    1.植物に寄生するウイルス、ウイルスに寄生するサテライト 私たちはインフルエンザなどさまざまなウイルス感染症にかかるが、植物もウイルスで病気になる。キュウリモザイクウイルス(CMV)は、アブラムシによって媒介される直径30nmの正二十面体の粒子で、さまざまな植物に感染して葉に斑紋を作ったり、枯らしたりする。そのゲノムは1鎖RNAで、自身の増殖のための複製酵素や、細胞間を移動するための移行タンパク質をコードしている。 CMV粒子には、CMVゲノム以外のものが入っていることがある(図1)。CMVに寄生しているサテライトRNAだ。その塩基配列は330〜400塩基と短く、タンパク質は作らない。サテライトRNA はCMVと共に移動し、CMVの複製酵素を使って増えるが、その塩基配列にCMVゲノムとの相同性はなく、起源はなぞである。

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  • Research ボルボックスで見る多細胞生物の形づくり

    RESEARCH ボルボックスで見る多細胞生物の形づくり 西井一郎米国セントルイスWashington大学 水中でくるくるまわる美しい緑藻ボルボックス。新しく誕生した個体は細胞のシートできた球状の体を反り返らせ、実に見事に裏返る。インバージョン(inversion:反転)と呼ばれるこの現象は、どのようなしくみで起こるのだろう。細胞のシートのさまざまな変化は動物の形づくりの基だ。それがどのように行われるのか。この問いへの答を探るモデルとしてボルボックスは面白い。しかも多細胞化した時期が新しいので、単細胞生物から多細胞生物への進化の過程を見ることもできるのではないかと期待させる。

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    quick_past
    quick_past 2018/01/17
    巧みな仕組みやなあ
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