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ブックマーク / macroscope.hatenablog.com (15)

  • 二酸化炭素による赤外線吸収は飽和しても温室効果は飽和しない - macroscope

    【この記事は まだ 書きかえることがあります。 どこをいつ書きかえたか、必ずしも示しません。】 - 1 - 大気中の二酸化炭素がふえると地球温暖化が進むという見通しは多くの科学的知見にささえられている。しかし、この見通しを否定する主張がある。 地球温暖化否定論のうちに、「二酸化炭素による温室効果はすでに飽和しているので、二酸化炭素がこれ以上ふえても、温室効果はこれ以上強まらず、地表温度は上がらない」という主張がある。これを「飽和論」と呼んでおく。飽和論を主張している人は、地球の大気、とくにその成分である二酸化炭素が、温室効果をもつことは認めているのだ。(飽和論と温室効果否定論をまぜてしまったのでは、自己矛盾になる。) この議論に対して、わたしは別のブログに2010年9月8日に[CO2がふえても温室効果は強まらないという議論(飽和論)への反論]という記事を書いた。実質的にそれのくりかえしにな

    二酸化炭素による赤外線吸収は飽和しても温室効果は飽和しない - macroscope
    raycy
    raycy 2024/04/27
  • 太陽光発電の性能と副作用について、一気象学者が知っていること - macroscope

    【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 0 - わたしは太陽光を利用することがこれからの人間社会にとって重要だと思っている。ただし、現代の日などの工業国の電力需要の構造を変えないまま太陽光でまかなえるというような楽観論には賛成しない。太陽光の特性を知り、それに合った利用のしかたを考えていく必要があるのだ。世の中には、太陽光発電の性能についても、副作用についても、過大評価もあれば、過小評価もあると思う。それを訂正していく必要を感じる。ただし、わたしは電力技術について専門知識をもっているわけではない。しかし、太陽光発電の性能にも副作用にも、気象にかかわる要因があり、その部分については、わたしのほうが太陽光発電専門家よりも知識があるかもしれない。そういう立場から、最近ネットやで見かけた話題をきっかけに考えたことを述べてみる。 - 1 - 自分で確認していない

    太陽光発電の性能と副作用について、一気象学者が知っていること - macroscope
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    raycy 2018/10/20
  • SPEEDIに期待された機能、それをどうやって実現するか - macroscope

    【[おことわり] わたしは気象学の専門家ではあるが、とくに原子力防災を専門とするわけではないし、その関連の政策に対してとくに発言力があるわけでもない。ここに書くのは、個人としての意見を表明し、できれば政策決定にかかわる人にも読んでいただきたいと思うからだ。】 【[おことわり] いつものことだが、わたしはブログ記事を書いたあと修正することがあり、その際に、いつどこを修正したかの表示は省略することがある。】 - - - 原子力規制委員会が、今後の原子力施設事故の際の住民の避難計画に、SPEEDIを使わないことにしようとしているという報道があった。これは決定ではなく検討中の案であるとわたしは理解している。それに対して、「SPEEDIを使わないのは安全軽視だ、けしからん」という声と、「SPEEDIはどうせ役にたたないのであり、捨てるのが正しいのだ」という声が聞かれた。どちらの意見も、原子力発電所の

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    raycy 2015/04/23
  • 潜熱、顕熱 - macroscope

    潜熱ということばは、エネルギーの概念ができる前の熱素説のなごりなのだが、今も広い意味の物理科学(おもに化学)で使われていることばだと思う。 現代流にいうと、物質の内部エネルギーは、温度によって変化するほかに、同じ物質で、同じ温度でも、固体・液体・気体の「相」による違いがある。厳密ではないが近似としては、温度による部分と相による部分のたしざんとみなすことができる。温度に比例する部分が「顕熱」で、相による部分が「潜熱」だ。(ただし温度にほぼ比例する部分の比例定数つまり「熱容量」は相によって違う。) もう少し詳しく言うと、現実には体積も変わるので、圧力一定を仮定して体積変化に伴う仕事を考慮に入れた「エンタルピー」で論じたほうがよい。エンタルピーの温度に比例する部分が「顕熱」で、相による部分が「潜熱」だ。 気象学でよく出てくる相変化は水の3相の間の変化だ。水の質量あたりの蒸発の潜熱と呼ばれるのは、

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    raycy 2014/11/23
  • 地球温暖化に関する議論 - macroscope

    地球温暖化に関するコメントをつけるための記事です。

    地球温暖化に関する議論 - macroscope
    raycy
    raycy 2014/11/12
    「下向き赤外放射の存在は熱力学第二法則に反しません。」
  • 地球環境論のためにほしい熱力学、放射(電磁波)に伴うエントロピーの流れは4/3がかかるのか - macroscope

    [この記事はわたしの疑問を他のかたに説明できるところまで整理するために書いた。その目的に対してまだ不満なので、今後も改訂すると思う。必ずしも改訂履歴を残さないことをおことわりしておく。] 環境問題・資源問題の基には熱力学第2法則がある。わたしがそう思うようになったのは、槌田(1978, 1982)の影響が大きい。槌田の議論によれば、地球上で人間を含む生物が活動を続けられるのは、地球環境が、そこで発生すると同じだけのエントロピーを放射(電磁波)によって外に捨てることにより定常状態を保てるしくみをそなえているからなのだ。また、同じころ読んだ杉(1978)のによれば、太陽のような恒星もエントロピーを捨てている系としてとらえることができる。 熱力学を勉強すると、起こりうる現象の向きはわかる。しかし、エントロピーの発生量や流れの量に関する議論はふつうの熱力学には出てこない。最近、田崎(2000

    地球環境論のためにほしい熱力学、放射(電磁波)に伴うエントロピーの流れは4/3がかかるのか - macroscope
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    raycy 2014/11/06
  • 地球の年齢に関するKelvinの議論はどのようにまちがっていたのか? - macroscope

    科学者が当時としてはまじめに考えた結果が、あとの時代の科学の視点から見ると大きなまちがいだった、という話の例として、Kelvin (William Thomson, 1824 -- 1907; Lord Kelvinになったのは1892年だが便宜上一貫してこの名まえで呼ぶことにする)による地球の年齢の算定があげられる。Kelvinは、地球内部からの熱流量を熱伝導(熱伝導率は一定)だと考え、その熱源は地球ができたときの内部エネルギー [および重力の位置エネルギーからの転換 を考えていたようだが、詳細未確認] であって新たな補給はないと考えた計算の結果をもとに、1862年には2千万年から4億年の間という数値を示し、のちにはそのうち小さいほうの数値を主張した。 今では地球の年齢は46億年とされているが、その数値は放射性核種の壊変(および(ある種類の)隕石が地球とほぼ同じ時期にできたという仮定)に

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    raycy 2014/10/20
  • 地球環境問題解決に向けて期待される、専門知識をもつ人の役割 (STS学会発表) - macroscope

    [2013-09-02の記事]で予稿を示した発表をした。 予稿から発表の間に追加した情報 気候変動政策に科学がかかわる国際的なしくみ[説明図] 「第1」 2012年日でのエネルギー政策に関する国民的議論の例 エネルギー・環境戦略 市民討議 実行委員会(2012) 市民の選択 エネルギー・環境戦略 http://www.zenkoku-net.org/ene-kan-kikin24/ これは政府(エネルギー・環境会議 http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy09/archive01.html )が2012年6月29日に発表した選択肢について議論した。 「第2」地球温暖化懐疑論ブログは「拡大された同僚評価」の好例か? J.R. Ravetz, 2011: 'Climategate' and the maturing of post-normal s

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    raycy 2014/04/09
  • 極東の槌田敦氏と極西のJames Lovelock氏の功績と限界 - macroscope

    2006年初めに槌田敦氏の「CO2による温暖化は起こらない」という趣旨の講演 (槌田 2006のとほぼ同じ内容)を聞いた。同じ年のなかばにはLovelock (2006)の「温暖化は生態系の破滅をもたらす」と主張するを読んだ。とても悲しかった。([ある読書ノート]の序論や「みすず」2007年1・2月号の読書アンケートに短く書いた。) 地球環境は一種の準定常システムであり、人類の活動が持続可能であるためにはその「準」の範囲におさまる規模である必要があるのだと思う。1970年代に、槌田氏の熱力学にもとづく定常開放系の議論や、Lovelock氏の自己調節機能をもつ「ガイア」の議論のおかげで、そのような認識が育ってきたのだ。 槌田氏は(1978年、1982年の著作などで)、熱平衡にないシステムが準定常状態にあるためにはエントロピーを運び出すしくみが必要であり、地球環境にはそれがあることを指

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    raycy 2014/03/30
  • QWERTY (2) - macroscope

    [前の記事]に、思いがけず、参照した論文の著者の安岡孝一さんからコメントをいただいたので、もう少し調べてみた。(ただし「少し」であって「詳しく」ではない。この主題についてはわたしは気にかけつづけるつもりではあるが、気で調べるかどうかは、まだわからない。) Elsevier社から出ているResearch Policyという雑誌の42巻6-7号に「Discussion on QWERTY」という小特集がある。http://www.sciencedirect.com/science/journal/00487333/42/6-7 この雑誌をとっている図書館に行ったら読んでみたいと思う。オンラインでも買えば読めるのだが、1件35.95ドル(短いコメント論文でもこの値段)で5件買って読もうというほどの興味がわかない。(有料だから嫌っているわけではない。特集全体が36ドルなら買う気になると思う。)

    QWERTY (2) - macroscope
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    raycy 2014/03/16
  • 人為起源気候変化とその対策とくに気候工学の位置づけに関する根本的考察 (発表予稿) - macroscope

    2014年4月におこなわれる日地球惑星科学連合(http://www.jpgu.org/)の大会の、科学論のセッション(M-ZZ45「地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論」)に、発表を申しこんだ。予稿をこの下につける。 「根的」というほど考えは深まっていないのだけれど、根的に考えたいという志向を示そうとしてこのような題目をつけてしまった。 予稿の内容は、地球温暖化の対策をいわゆる「気候工学 (geoengineering)」を含めて考えている人にとっては、あたりまえのことになってしまったと思う。これで研究発表とするのはとても気がひける。しかし、この内容は、世の中全体はもちろん、地球科学者のあいだでも、あたりまえになっていないと思う。研究発表という形でなくてもよいのだが、学会の場で話してみる価値はあると思うのだ。 これからさらに調べてオリジナルな研究にする方向としては、ひとつは、

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    raycy 2014/03/06
  • QWERTY - macroscope

    現在のコンピュータ用のキーボードのアルファベットの配列は、英語用の場合で言えば、左からQWERTYと文字がならんでいる。(日語用キーボードでは、かなが加わり、記号類の位置が英語と違うところがあるが、アルファベットに関しては英語用と同じものが使われている。) これは、英語あるいは日語ローマ字を速く入力するために設計された配列ではない。(英語の入力にはDvorak配列がよいと言われることが多い。日語についてはこれとは別だが母音キーをホームポジションに集める点では共通の日語ローマ字配列が開発されたことがあった。) 19世紀末ごろにできたタイプライターのキーボード配列の事実上の標準が、いったん慣れたものを新しく覚えなおしたくないという人々の惰性によって、生き残ってしまったものと考えられる。技術史用語でいう「経路依存性」あるいはlock inの例ともいえる。 タイプライターのキー配列がQWE

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    raycy 2014/03/06
  • すべての白鳥は白いか - macroscope

    英語で、論理について説明するとき、次の例文にたびたび出会う。 All swans are white. だれが言い出したのかは知らないが、わたしが出会ったのはKarl Popperの仮説反証主義といわれる科学方法論の話題でだった。 人はすべてのswanを観察しつくすことはできない。観察にもとづいて言えるのは、特定のswanが白いかどうかだ。したがって、「すべてのswanは白い」という文を観察によって実証することはできない。たとえ百万羽のswanが白いことがわかっていたとしても、次に発見されるswanは白くないかもしれない。百万と1羽、百万と2羽、と事例をふやしていっても論理的地位は変わらない。ところが、(1羽でも)あるswanが黒い(あるいは、赤い、...ともかく「白くない」)ことが(確実に)観察されたとすれば、「すべてのswanは白い」は偽であることが確定する。つまり、この文は反証される

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    raycy 2013/04/25
  • 労働生産性を低下させるソフトウェア更新 - macroscope

    職場のオフィス用パソコンのソフトウェアのうちいくつかが新しいものになった。少しずつためしてみている。機能についてはいくつか不満があるもののこれまで使っていたものの不便さが解消される面もあるので、もし応答が遅くなかったら喜んで使うだろう。しかし、文書作成(ワープロ)機能で、日語の文字を入力して画面が更新されるまでに1分くらい待たされることが数時間のあいだに何十回とあった。漢字変換をやりなおしたりすると1件の短い文字列の入力で何分もかかる。 原因は、オフィス用パソコンのハードウェアの更新はまだ半年ほど先の予定なのに、ソフトウェアの一部分の更新を前倒しにしたことにちがいない。職場のパソコンは5年以上前(たぶん7-8年前)の機種だ。たまたま新しいパソコンで動かしてみると、不満のない速さで動く。したがって応答が遅いのはサーバーではなく端末のパソコンが古いせいだ。 いま作られているソフトウェアは、い

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    raycy 2012/05/28
  • 新成長戦略などと言っている場合ではない。脱成長戦略だ。 - macroscope

    震災後の今こそ、長期的視野で国の政策の基を見なおす機会だと思う。 何かの量の成長率が正の一定の値をとることが続くということは、何かの量が時間とともに指数関数的に大きくなっていくことになる。人間社会は物理的に有限の地球環境の中にあるので(宇宙に出ていくことは簡単でないので)、人間社会に関する物理量が長期にわたって成長しつづけることは不可能だ。 (これをマンガ的に表現したものとしてThe Impossible Hamster http://www.impossiblehamster.org/ がある。わたしから見ると、デフォルメされているのがちょっと残念だ。ものの大きさが感覚的にわかる画像を、きっちり1秒で2倍になるようにして30秒(つまり10億倍になるまで)続けたアニメーションを作ったらもっと印象的だと思う。この1秒は人間社会の数年に相当するわけだが。) もちろん、経済に関する量は必ずしも

    新成長戦略などと言っている場合ではない。脱成長戦略だ。 - macroscope
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    raycy 2012/05/28
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