文房具小売店の店舗数は減少の一途を辿っている。1982年から2007年までに約3分の1の約1万店にまで減少している。年間販売金額も1994年をピークに減少を続けている。金物屋や玩具屋のように文房具店が消え、文房具の流通構造が20年間で大きく変化している。 流通構造変化のポイントは、1994年に誕生した文房具通販のアスクルである。メーカーが膨大な在庫を持ち、それを卸売業が文房具店へ卸し、消費者が買いに行くという従来の流れを大きく変え、アスクルが膨大な在庫を持ち、直接消費者から注文を受け、翌日に届ける仕組みを構築した。「中抜け」した物流革命を行い、低価格化を実現したことにより09年5月期の売上は1,905億円となり、10年間で約20倍に成長した。 一方で文房具通販を巡る競争が激しくなっている。アメリカの3大文房具チェーン店のうちオフィス・デポとオフィス・マックスが1990年代後半に日本進出を果