日本では離婚した場合、子の親権は父母のどちらかに移る。「共同親権」となるのは婚姻中だけだ。だが欧米では離婚後の共同親権制度が導入されている。日本でも導入すべきなのだろうか。東北大学の水野紀子教授は「離婚後も両親が子供と交流できることは望ましいが、日本では家族へ介入する社会福祉が貧弱だ。DVや児童虐待などがあったときに、子供の安全が脅かされる恐れがある」と指摘する――。 40代男性が「共同親権」を求めて最高裁へ 2018年10月、東京都内の40代男性が共同親権を求めて最高裁に上告したことが話題になった。離婚後の単独親権は、「家」制度の名残で憲法違反だという主張である。「家」制度のない欧米諸外国も、かつては単独親権であったから、「家」制度の名残とはいえないであろう。 だが、そんな欧米諸国も、近年は非嫡出子を含めた共同親権に道を開いている。また、日本でも2014年から批准の効力が発生している「ハ