自民党総裁選や立憲民主党代表選で「最も議論して欲しいテーマ」は「年金、医療、介護などの社会保障対策」──。7~8日実施のJNN(TBS系列)世論調査の結果で「次の自民党総裁にふさわしい人」のトップ(28.5%)は小泉進次郎元環境相(43)だが、過去の提言や講演をひもとくと、思い描く社会保障プランは非常に危うい。 ◇ ◇ ◇ 進次郎氏は自称、国会議員初の「人生100年時代」の提唱者だ。2016年4月、進次郎氏を中心とする自民の若手グループが社会保障に関する提言集をまとめた。確かに〈人生100年生きていくことが当たり前になる未来〉と出てくるが、続くのは〈もはや戦後のやり方は通用しない〉という強い言葉である。 否定したのは〈「20年学び、40年働き、20年休む」という人生こそが普通で幸せ〉との考え方だ。「一本道のレール」にたとえ、〈「一度レールから外れてしまうとやり直しがきかない」そんな恐れ
東京都知事選で2位につけ、一躍、時の人となった石丸伸二・前安芸高田市長。選挙後はテレビやネット番組に出演し、話題にはなっているが、どうも雲行きが怪しくなってきた。 選挙直後から石丸氏は、国政進出の可能性を問われ「選択肢としては当然考える」と言い、出馬し得る選挙区として岸田首相の衆院広島1区などを例示。新党結成の可能性も示唆したのに、一向に政治的な動きを見せない。これに、石丸氏を支援する政界関係者から不満の声が上がり始めている。 「都知事選から3週間が過ぎた。勢いがあるうちにどんどん政治的に動くべきなのに、石丸さんにはそんな様子が全くない。テレビに出てニコニコしているだけで、何がしたいのか……。このままグズグズしていると、ファンがアンチに変わってしまいかねません」 動かない石丸氏の“推し活”を続けるか否か、逡巡している政界関係者は複数いるようだ。そんな彼らが注目したのが、1日、滋賀県彦根市が
「もしトラ(もしかしたらトランプ再選)」とか「もしも徳川家康が総理大臣になったら」とか、「もし」があふれる世の中で、もしも「ホラ吹き大臣」なる役職があったら、ぴったりの人物がいる。河野デジタル相だ。9月に自民党総裁選を控え、国内メディアは首相候補ランキングの常連である河野大臣の動向を注視しているが、河野大臣が世界に向けてついた“大ウソ”には関心がないのか。 ◇ ◇ ◇ 「時が来たら決断する」──。29日のBS11に出演した河野大臣は、総裁選出馬について明言を避けた。「いずれ(総裁を)やってみたい」と意欲は隠さなかった一方、「まずは自分の任せられている仕事をきちんとやるのが大事」としおらしげに語った。 そんな物わかりの良いタマじゃないだろう。26日に公開された英BBCのインタビュー番組「ハード・トーク」に出演した際、得意の英語を駆使して言いたい放題だったではないか。 「ハード・トーク」は
「現職の背中が見えてきました。政治の景色を変えるのは、いつだって皆さんの勇気だと思う!」 7月7日投開票の東京都知事選まで残り3日。現職の小池知事を追う蓮舫候補は3日も京王線・調布駅前に立ち、支持を訴えた。常に1000人超の聴衆を集め、演説のボルテージも日ごとに高まっている。どこかシラけたムードが漂う小池知事の街宣に比べ、蓮舫氏とその支援者たちの熱気の方が、ハッキリ言って五十歩も百歩も勝る。とはいえ、主要マスコミの中盤情勢の調査結果はおおむね、小池「一歩リード」。終盤にかけ蓮舫氏に逆転の目はあるのか。 ■「ひとり街宣」が活気づく ここにきて活気づいているのが、蓮舫氏を応援する人々の「ひとり街宣」と呼ばれる動きだ。 一人一人が地元の駅頭などに立ち、独自に宣伝。プラカードを掲げ、候補者のように支援を求めたり、投票率アップを呼びかけたり、「外苑再開発見直し」などの政策を訴えたり、立っているだけだ
1994年9月24日、私は英国のアスコット競馬場にいた。 武豊が騎乗するスキーパラダイスを見るためだった。同馬は前走でフランスのGⅠムーランドロンシャン賞を勝って人気になっていた。雨が降り続き日本の芝より長いターフのため、直線だけで追い込むことは難しいと思われた。だが、スキーパラダイスは少し出遅れたこともあったが終始後方のまま惨敗した。翌日の英スポーツ紙は1面で武の騎乗を厳しく批判していた。 翻って先週の「宝塚記念」、断然1番人気のドウデュースの武の騎乗を批判するスポーツ紙はなかったのではないか。それで30年前のことを思い出していたのだ。 ドウデュースについて、武はレース前「馬の出来は最高」と言い、レース後は「負けたのは重馬場のせいではない」と言っている。だとしたら、あの乗り方は解せない。60年競馬を見てきた私は、相手が競馬界のレジェンドであってもひるんではならないと考える。 私は、この国
厚顔無恥とはこのことだ。自民党の裏金事件に端を発した政治資金規正法改正をめぐり、当事者からトンデモ発言が飛び出した。政治改革をテーマに与野党の実務者が顔をそろえた12日のNHK「日曜討論」で、抜け穴だらけの与党案に批判が集中。すると、自民の鈴木馨祐衆院議員(党政治刷新本部座長)が「自民党の力を削ぎたいという政局的な話がゴッチャになっている」と言い出したからア然だ。陰謀論者なのか。 ◇ ◇ ◇ 与党が取り急ぎまとめた改正案はザルだ。 自民の二階元幹事長が5年間で50億円も受け取っていた政策活動費の使途公開義務化▽政治資金パーティー券購入者の公開基準額引き下げ▽国会議員関係団体に比べて緩い「その他の政治団体」の公開ルール強化──が3本柱。政治資金収支報告書の提出にあたり、議員による「確認書」交付を義務付け、不記載などで会計責任者が処罰された場合は政治家にも刑罰を科すという。自民は「いわゆる
自民党の裏金事件を受けた政治改革特別委員会が来週にも衆参両院に設置される見通しだ。焦点はザル法の政治資金規正法改正だが、自民にヤル気なし。立憲民主党など野党は癒着につながる企業・団体献金の廃止や政治資金パーティー禁止などを求めているが、反応は極めて鈍い。外部監査導入程度でお茶を濁している。 企業・団体献金の温存によって財界に有利な政策ばかりが通り、行政が歪められる懸念はいまに始まったことではない。 そうした問題の一端が、5日の衆院厚労委員会で浮かび上がった。紅麹原料を使ったサプリメントによる健康被害の拡大が疑われている小林製薬と自民党の関係だ。小林製薬は安倍元首相が代表を務めていた政党支部と、自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)に長年にわたって献金し続けてきたというのだ。問題のサプリはアベノミクスの成長戦略の一環で生み落とされた機能性表示食品のひとつ。規制緩和によって2015年4
「ハマスのテロを許すな」 「イスラエルに平和あれ」 そんなプラカードを掲げてアコーディオンとギターをかき鳴らし、おそらくヘブライ語で歌う約1200人が東京・銀座を練り歩いた。昨年11月の「イスラエル救援委員会」によるデモ行進だ。 イスラエルによるパレスチナ攻撃に抗議する反戦デモは多いが、イスラエルを応援するデモは珍しい。参加者数の多さからは一見、日本でもイスラエル支持の世論が強いかのように思えるデモだが、実はこれ、在日イスラエル大使館と日本の宗教団体による“自作自演”だった。 このデモはネットなどで一般告知されず、なぜかイスラエル大使館がメディアにだけ事前情報を流した。それと同時に保守組織「日本会議」の構成団体でもある「キリストの幕屋(宗教法人キリスト聖書塾)」が信者を動員。参加者はほぼ全員が、その信者と大使館関係者だ。 デモ前、都内のビル内で行われたキリストの幕屋の礼拝集会に、筆者は潜入
《『知らない』『分からない』じゃなくて!幹部という立場にあったのだから自ら真相究明のため必死に汗をかき、その結果を国民に報告、説明を果たし、その上で自ら政治的責任を取るというのが本来の在り方なのではないだろうか。》 自民党の三原じゅん子参院議員(59)が15日、X(旧ツイッター)を更新。派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、弁明のために衆参両院の政治倫理審査会(政倫審)に出席した最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)幹部らの対応に言及した。 政倫審はこれまで衆参両院で延べ3日間開かれたものの、安倍派幹部の説明は「知らなかった」という弁明に終始。14日に参院で初めて開かれた政倫審でも、同派幹部の世耕弘成前参院幹事長(61)は「いつからあったのか、誰が決めたのか分からない」と発言。三原氏の指摘した通り、「知らない」「分からない」という答弁を繰り返した。 三原氏が本気で安倍派幹部らに対して「自
自民党青年局が和歌山市内のホテルでエンジョイしたハレンチ懇親会をめぐる波紋は広がる一方だ。政治活動の延長線上の会合に高露出のセクシーなダンサーを招き、濃厚接触して盛り上がっていたのだから、品性を疑われるのは当然だろう。こんな下劣な余興を企画したのも、問題視されているチップの口移しをしたのも、世耕弘成前参院幹事長の新旧秘書であることが判明。公金を使って女性局は観光、青年局は乱痴気パーティー。ベテランは裏金づくりに邁進する自民党が進む道は解党一択だ。 和歌山県連が昨年11月に主催したハレンチ懇親会は、党青年局近畿ブロック会議後に開かれた。出席者は40人ほど。 顛末が発覚した先週末、参加していた青年局長の藤原崇衆院議員と局長代理の中曽根康隆衆院議員が辞任。ダンサー5人を招くなど、企画を担った世耕元秘書の川畑哲哉県議も県連青年局長を辞任して幕引きを図ったものの、全国的な猛批判に遭い、週をまたいだ1
16日から確定申告が始まり、各地の税務署では自民党の“裏金議員”に対する怒りの声が納税者から上がっている。SNSでも一時、「#確定申告ボイコット」がトレンドワードに浮上した。 政治資金は原則非課税だが、裏金が議員本人の収入と見なされれば所得税の課税対象だ。自民党内では裏金議員に納税させる案も浮上したというが、森山総務会長は15日に「政治資金として処理しているので、所得税は発生しない」と断言。納税を「党として検討することはあり得ない」と否定した。 ■「政治資金における確定申告」 だが、ちょっと待ってほしい。実は国税当局は毎年、国会議員らに政治資金の確定申告について説明する“納税手引書”ともいえる文書を渡しているというのだ。 今年1月に配布された「令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告について-政治資金に係る『雑所得』の計算等の概要-」には、しっかりこう書かれている。 <政党から受けた
週刊文春による松本人志の性加害報道に芸人の多くがコメントを避ける中、口火を切ったのが、この人だ。先月出演した関西のラジオ番組で、当初「事実は一切ない」と否定した吉本興業の対応を「初動ミス」とバッサリ。返す刀で「社内調査」を求め、松本にも「シロならキッチリ言えるはず」と会見を促すなど舌鋒鋭くしゃべり倒し、話題を集めた。芸歴50年超の大御所芸人が、芸能界と政界の「今」をぶった斬る。 ◇ ◇ ◇ ──師匠の指摘通り、吉本も「事実確認を進める」と態度を変えました。 いいじゃないですか、遅くても。非常にデリケートな問題なんで。相手を思いやる心は必要です。 ──しかし、松本さん本人は態度を変えません。 僕ら芸人はマスコミで生きてます。一種の公人ですから、公の場で答える義務があるんちゃうか、というのが正直な気持ち。都合のいい時だけのマスコミじゃない。不都合になったらダンマリはダメ。大阪・関西万博のア
間もなく5カ月が経つ。昨年8月、政府・東電が地元関係者との約束を反故にし、福島第1原発にたまる放射性物質トリチウムを含んだ「処理水」の海洋放出を強行。元の汚染水は今なお1日約90トンのペースで増え続け、海洋放出はイタチごっこだ。政府は完了までに30~40年かかるとするが、希望的観測に過ぎない。元凶は、多核種除去設備「ALPS」でもトリチウムを取り除けないこと。しかし、この状況に一石を投じたのが、約5年半前に近畿大学の研究チームが発表した最新の除去技術だった。あの画期的なシステムは今、どうなっているのか。研究者らの挑戦を追った。 「『トリチウム水』を分離・回収する方法及び装置を開発しました」 2018年6月、近畿大学の研究チームが発表したプレスリリースは、各メディアに驚きをもって迎えられた。 トリチウムを含んだ水は普通の水と化学的性質が同じであり、分離するのは困難とされる。しかし、近大の研究
22日、皇居・宮殿で行われた「即位礼正殿の儀」。NHKや民放が生中継する中、ネットなどでは「3つの話題」が盛り上がっていた。 何といっても断トツで注目を集めていたのが、安倍首相の妻・昭恵夫人だ。森友問題をはじめ、何かとやらかす人物とはいえ、22日ばかりは世界もアングリしたに違いない。各国首脳や閣僚らがえんび服やロングドレス、和装などの正装で並ぶ中、昭恵氏だけが知人の婚礼パーティーにでも出席するような膝丈の白いドレス姿だったからだ。 ネット上では<ドレスコード知らないのかな>との疑問が続出。両腕の袖が肘から大きく広がる奇抜なデザインも話題になり、<レディー・ガガ>や<土偶>--などと揶揄する声も上がった。 ちなみに「即位の儀」の招待状には、ドレスコードは「饗宴の儀に準じる」と書いてあったらしい。そこで、「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典委員会」が6月に定めた「饗宴の儀の次第概
1割台の支持率まで出てきて、もはや岸田内閣は万事休す。9月の自民党総裁選での再選はおろか、9月まで持たない、という見方が広がっているが、窮鼠猫を噛む、だ。 「岸田さんの選択肢は退陣か解散総選挙しかない。岸田さんの性格からすると、総理を続けるため、解散に踏み切ってもおかしくない」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏) 裏金疑惑の捜査次第では、何人もの議員辞職者が出かねない。現状、細田博之前議長の死去にともなう衆院補欠選挙が4月28日に実施される。新年度予算成立後の解散で、「政治改革」を旗印に補選日程を総選挙に変える。もしくは、都知事選と同日の7月7日投開票--そんな可能性も囁かれるのだ。 だが、しょせん「破れかぶれ解散」。岸田の自爆選挙となるのが必至だ。 「秋解散の可能性に合わせて自民党が行った情勢調査で、最悪ケースは現有から41議席減と言われました。自民党支持率も下落していますし、さらなる議席減は
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く