2008年2月、千葉県房総半島沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」と衝突した漁船清徳丸の吉清(きちせい)治夫さん(当時58)、哲大(てつひろ)さん(同23)=いずれも千葉県勝浦市=父子が死亡した事故で、業務上過失致死と業務上過失往来危険の罪に問われた自衛官2人に対する初公判が23日午前、横浜地裁(秋山敬裁判長)で始まった。2人は「検察が主張する事実認定は真実と全く異なる」などと述べ、無罪を主張した。 2被告のうち、衝突当時「あたご」の当直士官だった元水雷長の長岩友久3等海佐(37)は罪状認否で「衝突したことは間違いなく、道義的責任を感じている。しかし、(検察が主張する)航跡図は私の過失を作り上げるための虚構だ」と述べた。一方、衝突の約12分前まで当直士官を務めた元航海長の後瀉(うしろがた)桂太郎3等海佐(38)は「当直の引き継ぎで長岩3佐を混乱させたことはない」と述べた。 冒頭陳述で検