今年6月、約7年間の長旅を終えて地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。約3億キロ先の小惑星「イトカワ」との往復では通信途絶や機器の故障などさまざまなトラブルに見舞われたが、関係者の機転で次々と乗り越えた。サンプル回収用のカプセルを送り届けた本体は大気圏で燃え尽きたが、宇宙開発への国民の期待は大いに高まり、カプセル内部の分析は現在も続く。偉業達成の背景にあったのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に協力した関係企業の技術力と未知の世界に挑む情熱だ。はやぶさの成果を受け、政府は後継機「はやぶさ2」(仮称)の開発を決定。一部の企業は早くも参加に名乗りを上げ、はやぶさで得た技術や経験を武器に本格的な「太陽系大航海時代」へ乗り出そうとしている。(科学部 小野晋史)関連記事【逍遥の児】日本人の誇り「はやぶさ」最後の輝きは満月級「はやぶさ」カプセ…記事本文の続き ■総力でつかんだ快挙 度重なる困難を耐