「普通なら改修設計もリーシングも引き受けない」。建築設計や不動産リーシングなどを手がけるスピーク代表の吉里裕也氏は、初めてその建物を見たときの印象について、こう話す。その建物は企業の社宅兼作業場で、築後約20年。地上5階建てで、エレベーターもなかった。何より、都営新宿線東大島駅から徒歩約20分という立地条件から「テナントを付けるのは非常に難しい」と吉里氏は判断した。しかし、賃貸マンション「Plendy 東砂」として再生し、完成後約2カ月で満室となった。最初は恐々、取り組んだプロジェクトが成功した背景には、オートバイユーザーをコアのテナントとして想定するなど、思い切った企画・設計があった。