目を閉じてみよう。心の中で家にある窓の形を思い浮かべることができるだろうか?家の窓の数がいくつあったか数えられるだろうか? たいていの人はできるはずだ。ところが一部の人は、窓の数は完璧に数えられても、窓の形を具体的にイメージすることができないという。 『心の目』を使って記憶の中から具体的なイメージを思い起こすことができない人がいるのだ。エクセター大学の神経学者のアダム・ゼーマンのチームが論文を発表し、この症状に『アファンタジア』という名前をつけた。 頭の中でイメージすることができない、アファンタジアという症状 『アファンタジア』という名前のきっかけとなった『ファンタジア(空想)』は、アリストテレスが記憶の中からイメージを生み出す心の能力を表わすのに使われたものだ。 ゼーマンらは数年前に、このアファンタジアの最初の症例をMX(男性)として報告した。MXはちょっとした外科手術を受けた後、頭の中