『<自己責任>とは何か』(桜井哲夫、講談社現代新書、1998.5) 【読んだ時期】 2005年3月 【作成日】2005年5月14日 ----------------------------------------------------------------------------------------------- ◆最近、「自己責任」という名の妖怪が日本社会をさまよい歩いている、と著者は感じている。ここでいう「最近」とは、本書の書かれた時期から考えれば1997年前後であろう。住専問題に端を発する不良債権問題と金融危機。そして、流行語のように言葉の定義も無く無責任に使われる「自己責任」という言葉。この本はこうした状況への著者の義憤から書かれたという。そして、「自己責任」という言葉を手がかりに、住専問題をはじめとする身近な問題を通じて「責任とは何か」を明らかにしつつ近代の諸原理に