「何となく違うんだよなぁ」はダメ ――では少し聞き方を変えて、吉田さんがゲームのプロデューサー、ディレクターとして大事だと思う能力は何ですか? 吉田 自分が考えたこと、考えていること、感じたことを一生懸命説明する、というのがひとつ。もうひとつは物事の方向性、コンセプト、仕様など、あらゆる決断を迫られたときに「濁さずに決める」こと。このふたつを大切にしています。何かを決める、というのはすごく怖いです。それは今も変わりません。でも責任者の仕事は決断すること。それで物事を決めたら、その決断の理由をキチンと説明する。だから僕は、今でもスタッフと話をしたりメールで返事を戻す際には、説明を徹底するように心がけています。最初は大変ですが、理解が進めばそれだけ決断の結果は早く出てくることになります。 ――説明する、というのは具体的にはどういうことでしょう。 吉田 たとえばアーティスト(デザイナー)が作って