東京都多摩地区の梅の木から昨年、果樹に感染する植物ウイルス「プラム・ポックス・ウイルス(PPV)」が検出された問題で、農林水産省と都は近く、植物防疫法に基づく省令を出し、感染したすべての木を10年度中にも伐採する方針を固めた。JA西東京吉野梅部会によると、青梅市の観光名所「吉野梅郷」の約1万本のうち少なくとも1500本以上が伐採対象になるとみられ、観梅や梅干しの生産にも大きな影響を与えそうだ。【袴田貴行】 青梅市でPPV感染が確認されたのは昨年4月。PPVの検出は国内初、自然な状態で梅への感染が確認されたのは世界初だった。その後、都が5、6月、市内全域を272区画に分け、無作為に抽出した果樹園1カ所でウイルス検査をしたところ、全体の1割以上に当たる37カ所で感染を確認。八王子市、あきる野市、日の出町、奥多摩町でも計9カ所で感染が見つかった。 農水省によると、水戸市や神奈川県小田原市でも