漫画という言葉が広く知られるようになったのは、浮世絵師葛飾北斎が描いた「北斎漫画」という画集が出された頃からだ。それまでは人物や動物をデフォルメした略画は、戯画とか鳥羽絵とか言われていた。黒装束の忍者を漫画に描いたのも北斎だ。 江戸時代には黄表紙と呼ばれる挿絵付きの通俗読み物が流行っていたが、中でも恋川春町は自分で文章も絵も描いていた。漫画のルーツはむしろこっちの方かもしれない。 「漫画」という表記は江戸、明治、大正を経て昭和30年ごろまでは主流だったが、コミックスという言葉が登場する昭和40年ごろからはカタカナの「マンガ」という表記が主流となる。露天や駄菓子屋で売られていた赤本、貸本屋で貸し出されていた貸本では「漫画」を使うことが多いが、書店で売られていた週刊雑誌、単行本には「マンガ」を使っている。 昭和の終わりから平成にかけてマンガはアニメの原作本として海外で広く認知されることとになり