「妊活」や「LGBT」を真摯に取り上げた連続ドラマとして話題になった『隣の家族は青く見える』。2つの強いテーマに隠れる形にはなったが、このドラマは「集合住宅の本質」=「集まって暮らすことの意味」についても、いつの間にか深く考えさせるドラマである。 建築や住宅、それを設計する建築家は、映画やテレビドラマの中でどう描かれているのか。元・建築雑誌編集長で画文家の宮沢洋(BUNGA NET/編集長)が、「名セリフ」のイラストとともに、共感や現実とのギャップをつづる。 『隣の家族は青く見える』は、2018年にフジテレビ系「木曜劇場」(午後10時)枠で放送された全10回の連続ドラマだ。 知らなかったが、このドラマは厚生労働省とのタイアップドラマであったという。とはいえ、午後10時台のフジテレビのドラマなので、教科書的な説教臭さはない。全編を通じて明るく前向きで、それでいて、冒頭で書いたように「いつの間