無人で走る「レベル4」の自動運転開発でトップランナーの米Waymo(ウェイモ、Google親会社であるAlphabet傘下)。時間はかかったが、本格的な商用化が目前との見方が強まる。安全に関する最新の報告書や論文を読み解くと、かつての孤高の存在から既存の自動車業界に寄り添い、さらに事故の実態を赤裸々にする「現実路線」にかじを切る姿が浮かんできた。自動運転の走行距離は群を抜く上、事故率は低い。国内自動車メーカーとの実力差は広がる一方だ。 自動運転の商用化で技術や事業モデルなどと同じくらいに重要なのが、安全基準である。どうすれば「安全な自動運転車」と見てもらえるのか、事故が起こったときに自らの責任がないことをどう示すのか、各国・地域で議論が進む。これまで既存の自動車業界と距離を置き、ほとんど単独で自動運転システムを開発してきたWaymo。安全基準の考え方や枠組みを作るのは協調路線が得策と判断し