【読売新聞】 物語の舞台に選んだ2018年は、実社会で、性的少数者(LGBT)への偏見の根深さが露呈した年だった。国会議員がLGBTについて「生産性がない」とする原稿を月刊誌に寄せ、そのまま掲載された。「ゲイ差別のバッシングの質が変
作家、神林長平さんは「言葉」「機械」などのテーマを重層的に組み合わせた独自の世界観を反映させた数々の作品で知られる。現代を代表するSF作家の一人として、急速に普及が進む人工知能(AI)をどう見ているのだろうか。寄稿してもらった。 2023年は、チャットGPTに代表される対話型AIが爆発的に普及し始めた年として記憶されるだろう。機械相手に自然な会話ができるというのは驚きを伴う楽しい体験に違いないが、それが実用面で使われると、他人の権利や人権を侵害する恐れがある。ここにきてそれが顕在し、対応策もいろいろ議論されているのは報道されているとおりだ。 対話型、すなわち言語を主体とする生成AIの利用がさまざまな方面で社会的な問題を引き起こすという現象は、社会というものを成立させ、支えているのが「言葉」であることを思えば、当然理解できる。<言葉>は社会を生み、文化や技術を発達させてきた。いつの頃からか人
哲学者・千葉雅也の第二小説集『オーバーヒート』(新潮社)が発売されたことを記念して、社会学者・宮台真司とのトークイベント「個として生きる勇気」が、10月1日に代官山 蔦屋書店にて開催された。公の場でふたりが話し合うのは、今回が初めて。 千葉雅也は、宮台真司の映画批評集『崩壊を加速させよ 「社会」が沈んで「世界」が浮上する』(blueprint)の刊行の際にコラムを寄稿。その縁で、今回のトークイベントが実現した。(参考:千葉雅也が選ぶ「宮台真司の3冊」 強く生きる弱者ーー宮台社会学について) リアルサウンド ブックでは、多くの反響を呼んだ同トークイベントを記事化。千葉雅也は小説を通じて何を表現しようとしたのか、また宮台真司はそれをどう読み解いたのかを軸に、性愛、東京と地方、90年代カルチャー、加速主義など、さまざまな事柄について語り合う貴重な対談となった。(編集部) 男同士の肉体関係は純粋に
本を取り囲む厳しくも悲しい現実 十代の頃、学校の図書室や町の図書館で借りた本を読んでいるときに、このことばはきっと自分のために綴られたものだ、と幸福な錯覚に酔いしれたことがある。 あの頃の私は、入荷したとたん予約が殺到するような、順番待ちをしてやっと手にすることがかなう人気本にはあまり興味がなかった。どちらかといえば、書棚の片隅でずいぶんと長い間、だれからも忘れられていたような本とのほうが、より親密な関係が結べると思い込んでいた。 カバーが紛失していたり、紙の色が褪せているような本があれば、そこにこそ、自分のためだけに書かれたことばが潜んでいるのではないかと期待して頁をめくった。そういう記憶があったので、アメリカの小説家ジョン・アップダイクの以下の発言には胸が熱くなった。 「わたしは、書いているときは、ニューヨークじゃなくて、カンザスのちょっと東のあたりの地域を、漠然と心のなかで目標にして
ごきげんよう、新人類。 あなたは当社の商品で偉大なる一歩を踏み出すことができます。 これまでの人類がけしてできなかったことです。 何も殺さずに肉を食べることができるのです! 当社のラインナップをぜひごらんになってください。 ポーク、ビーフ、チキンにラパン、そしてジビエ……すべて一切の殺生なく生産されたお肉です。当社の「無限に増殖する自然細胞」を使ったテクノロジーにより、ついにみなさまは食べるために動物を殺すという運命から解放されたのです。 これほど倫理的なことがあるでしょうか? わたしは動物愛護団体の皆様の前でも、堂々とネクタイをしめてステーキを頬張ることができます。間接的にすら、何も殺していませんから。 ノンカルマ・フードサプライはみなさんのあらゆるニーズに対応します。われわれには、より倫理的な肉を世界じゅうに届けるだけの潜在的生産力があります。 わたしの手もとにあるパンフレットは傷んで
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