株の誤発注で損失が拡大したのは東京証券取引所(東京都中央区)のシステムのトラブルが原因として、みずほ証券(千代田区)が東証に約415億円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁(松井英隆裁判長)は4日、約107億円の賠償を命じる判決を言い渡した。常識ではあり得ない発注にもかかわらず受け付けてしまう東証のシステムの脆弱(ぜいじゃく)性が浮かび上がり、みずほ証券の業績悪化にもつながった事案で司法判断が注目されていた。 誤発注は、みずほ証券社員が05年12月8日、東証マザーズに新規上場した総合人材サービス会社「ジェイコム」(現・ジェイコムホールディングス)の株式について、「1株を61万円で売却」しようとした際に「61万株を1円で売却」と入力ミスしたために起きた。間違いに気付き1分25秒後に東証のシステムにアクセスして、取り消しを複数回試みたが処理されず、その後8分弱で全株の売買契約が成立してしまい