名古屋市の河村たかし市長が採算性などを疑問視して2009年9月から約4か月、計画を一時凍結した「陽子線がん治療施設」(名古屋市北区)を巡り、建設を請け負っている日立製作所(東京都千代田区)が、着工遅れに伴う費用約4億8600万円を市に請求していることが9日、わかった。 市は、日立側に再考するよう求めているが、新たな公費負担になれば、独断で計画を凍結した市長の責任問題に発展するのは必至だ。 同治療施設の整備(総事業費245億円)は、松原武久前市長が進めた「4大プロジェクト」の一つだったが、河村市長は09年9月、「医療費が高く、利用者は想定の半分程度。毎年数億円の赤字が出る」と計画を凍結。その後、建設の是非を判断するため、公開討論会を開いたが、建設を求める声が大半だったことなどから、10年1月に方針を撤回した。この影響で着工は予定の09年11月から10年3月に、開業時期も12年春から13年