「スタートアップ企業の数は増加し、優秀なCFOや経営管理の人材のニーズが高まっていますが、まったく足りていません。会計士として、こんなにチャンスのある領域はないはずなのに、みんなどうしてチャレンジに消極的なのか」。そう〝スタートアップ業界〞の現状を語る石倉壱彦氏が、公認会計士試験への挑戦を開始したのは、大学3年のこと。そこには普通の学生とは少し違う決意が込められていた。 プロサッカー選手の夢を諦め、会計士を志す 1980年、横浜市生まれの石倉氏は、父親の仕事の関係で、幼少期をハワイで過ごす。帰国して入学した小学校で、「日本語がわからず苦労した」少年が選んだのは、話せなくてもコミュニケーションが取れるスポーツだった。中学からはサッカーに打ち込み、フォワードとして頭角を現す。青山学院大学に進学後も、プロを目指してサッカーに打ち込む日々だったが、3年に進級する頃、ある決断を下す。 「高校、大学の