米国で販路の大幅な縮小に追い込まれたHDDVD規格は窮地に立たされた(07年12月の年末商戦で店頭に積まれた東芝製再生機。ニューヨーク市、池松洋撮影) 値下げ、焼け石に水 東芝が「HD DVD」事業から撤退する方針を固め、高画質DVDの規格を巡る約6年間の争いは、ソニーなどが推進する「ブルーレイディスク(BD)」への一本化で決着することになった。 東芝は主戦場の米国市場でBD支持の流れが止まらず、巻き返しは難しいと判断した。国内の録画再生機のシェア(市場占有率)でBDに大差を付けられ、頼みの米国でも小売り世界最大手のウォルマート・ストアーズが15日、BD支持を表明し、とどめを刺された格好だ。(武田泰介、ニューヨーク支局 池松洋) ワーナーが引き金 巻き返しは可能と考えていた東芝の誤算は、今年に入って相次ぎ表面化した。 1月上旬、「HD DVD」とBDの両規格にソフトを供給してきた米映画大手