アラブ首長国連邦を構成する首長国の1つ、ドバイ。かつてはのどかな漁村だったこの地は、今や世界中から注目を集める100万都市に生まれ変わった。人口約110万、面積は長崎県よりもやや広い程度の小さなこの街に、インドよりも多い観光客が訪れ、シンガポールより多い船舶が寄港し、ポルトガルやベルギーよりも多い外国資本が投じられている。 経済成長率は中国さえも大きく上回る16%(2005年)にも達し、街には巨大な摩天楼がいくつもそびえている。住宅や別荘が建ち並ぶ、奇抜な形をした巨大人工島を2つも作り、今なお2つの人工島を建設中だ。 この街の繁栄の基礎を築いたのは、現首長の父親であるシェイク・ラーシド・ビン・サイード・アール・マクトゥームだ。彼はこの地を近代的な都市にすることを夢見て、1959年にクウェートから膨大な資金を借りた。そして埠頭や倉庫を建設し、巨大な船舶が運航できるように川を浚渫し、学校や住宅