レビューサイトやSNSを通じ、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のレビューにざっと目を通してみると、その話題の中心にいるのは圧倒的にワンダ・マキシモフ=スカーレット・ウィッチである。 ドクター・ストレンジによる型破りの魔法バトル、そのさらなる成長と、新たなるヒーロー、アメリカ・チャベスとともに駆け抜けるギミックたっぷりのマルチバースの風景など、見どころはたっぷりだったが、それでもこの映画の真の主役はスカーレット・ウィッチであるということでおおかたの観客の意見は一致しているように見える。 話題作なら当然だが、本作にも賛否両論がある。その賛否両論の渦のなかで、圧倒的に俎上に上がっているのも、スカーレット・ウィッチだ。 映画内での彼女の描写をめぐるさまざまな反応を見るに、大まかには以下の2つに分けられるように思う。 パワフルなスカーレット・ウィッチの破壊行為を見るのが「快感