本稿では、就学期の子どもの認知能力を計測する目的で行われている「学力テスト」のあり方を展望し、今後の教育政策をエビデンスに基づくものに転換していくために、どのような学力テストのあり方が望ましいかを論じる。まずは国内外で実施された学力テストの動向を振り返り、その後平成27年から開始された「埼玉県・学力学習状況調査」を1つのモデルケースとして取り上げる。本稿の後半では、平成27年から開始された「埼玉県・学力学習状況調査」のデータの簡単な記述統計と分析を紹介するとともに、これと同時に行われた埼玉県戸田市での教員調査の結果も踏まえ、今後の改善点についても論じる。