ある地域(国家)の人口動態を分析してみると、15~23歳の人口幅が大きな幅(山)=総人口の30%以上)を形づくると時期があり、その幅(山)をユース・バルジという。ユース・バルジが現れた地域(国家)では、戦争、内戦、動乱等が発生する。(もちろん、ユース・バルジが現れるためには、急激な出生数の増加が必要であるから、その前に、いわゆる、ベビーブームが起こっていることになる。)。 つまり、一人の男(父)が結婚して子供を2人以上設ければ、二男、三男・・・は相続の対象からはずされ、「ポスト」を求めて争う。「ポスト」を求めるユース・バルジは戦闘能力の高い青年層であるから、そのエネルギーが戦争、内乱、動乱等を発生する。――本書の要旨を大雑把にいえば、こんなところだろう。 古代、ヨーロッパではゲルマン民族の移動が起り、ローマ帝国の衰亡を招いた要因の1つに数えられている。民族移動の主因が人口増(本書流にいえば