旭化成建材(東京都千代田区)による杭(くい)打ちデータ流用問題で、旭化成の社内調査に流用を認めた複数の現場責任者が、きっかけについて「元請け(の建設会社)から『何とかしろ』と言われたため」などと説明していることが5日、関係者への取材でわかった。 杭打ち工事では、掘削機の電流計のデータは地中を掘り進む時にしか取得できず、データを紙に印刷する古い機種ではバックアップもないケースがある。 関係者によると、複数の現場責任者が、悪天候や作業員の注意不足で記録が取れなかったり、汚れて読み取れなかったりして元請けに相談したが、「何とかしろ」と言われたという。 このため別の場所のデータを複写するなどして取り繕うことを考えて、流用を行ったと説明。その後、同じような状況が起きた際には、元請けに確認せずに流用を繰り返したと説明しているケースもあるという。