ここ数年、蔵元がこだわりをこめて造った個性的な味わいの日本酒に、注目が集まっている。世界的な和食ブームに乗り、海外でも日本酒の愛好者が増えている。とりわけ人気の高い銘柄の一つが、旭酒造（本社・山口県岩国市）の「 獺祭 ( だっさい ) 」だ。同社は１１月２３日、東京・銀座に初の路面店「獺祭ストア　銀座」をオープンしたほか、来春にはパリに出店を予定するなど、事業拡大を推し進める。今や「日本で一番有名な日本酒」とさえ言われる獺祭の人気の背景や今後について、日本酒ライターの杉村啓氏が解説する。 「優等生」「秀才」の味わい 普段は日本酒を飲まないという人でも「獺祭」の名前を聞いたことがある人は多いだろう。テレビＣＭなどは特に流していないにもかかわらず、この知名度は「さすが」としか言いようがない。間違いなく、現在の日本酒人気の盛り上がりを牽引(けんいん)している銘柄の一つだ。 獺祭は、多くのメディア