読者が六百人ほどいたから、半分意識を失いながら書いたような記事に対してもなんらかの反応があって、とても居心地が良かった。 精神が疲弊したらそのままの感情を書き出した。すると数時間後には誰かが看病してくれた。乳幼児にでもなった気分だった。二足歩行する乳飲み子であった。 だがしかし、ネットの民衆なんてのは所詮ネットのマミーに過ぎない。 質の悪い母乳から卒業だ、俺はそう誓ってブログを握り潰した。 それから俺の人生は、稲光のように輝きはじめた。 我が身と現実世界の相性の良さに、自分の事ながら驚愕し、来る日も来る日も森羅万象を肌身で感じ、頭を垂れながら優しい風を感じ続けた。 木造住宅に火炎瓶を放り込んだ経験のある方であれば、きっと分かってくれるだろう。 小さな一歩で変わる景色の神々しさを。 二次元に傾いていた体を力尽くで戻し、その反動のまま猛烈に三次元に飛び込んだ。 瞬く間に俺の心は震え出した。それ