海外では、数万人から場合によっては数十万人が参加する政治的なデモや大衆行動、そして暴動が結構あります。しかし日本では、1000人が集まるデモさえ、そんなに多くはありません。 まず私は、「なぜ日本の(左派の)社会運動は、こんなにも弱いのだろうか」という問題意識から、この文章を書いています。言い換えると、なぜ日本の社会運動は社会的な信用を獲得できていないのか、ということです。 もちろんそれには様々な理由があるでしょうが、私がここで考えたいのは、「社会運動と権力」の問題です。それは、社会運動内部における多様性や、運動内部の多数派/少数派の関係のあり方の問題であり、社会運動がその外部に対して持っている影響力に対して責任を引き受ける必要性のことです。こういった問題を考えて取り組んでこなかったことが、日本の社会運動の社会的信用の低さにつながっていると私は思うからです。