フランスのパリにあるフランス国立ギメ東洋美術館は、1889年に実業家エミール・ギメ氏(1836-1918)によって設立されました。1928年には国立美術館として編入され、1945年以降、ルーヴル美術館の東洋部の役割をはたし、世界でも指折りの質を誇る東洋美術コレクションを有しています。 これまでギメ東洋美術館の浮世絵コレクションは、まとまって公開されたことがなく、その中には、貴重な作品が多数含まれています。中でも近年ギメ東洋美術館に寄贈された北斎の「龍図」が、太田記念美術館所蔵の「虎図」と対幅であることがわかり、美術史上でもまれに見る大発見となりました。今回、この作品をギメ東洋美術館に先駆けて世界で初めて対幅で展示をする貴重な機会となりました。 本展では、ギメ東洋美術館の浮世絵コレクションの中から選りすぐりの名品190点を紹介し、日本から海を渡ってフランスまで伝えられた浮世絵が、再び日本に