フィリピン政府は、太平洋戦争のあと現地に取り残されたいわゆる残留日本人が、日本国籍を取得して出国する際にこれまで不法滞在とみなして科してきた罰金の免除を決めました。この見直し後初めて、10日、残留日本人が日本を訪れました。 フィリピンの首都マニラにある国際空港から、10日朝に日本に向かったのはいわゆる残留日本人で82歳の小山マルガリタ・ヒロコさんです。 小山さんは太平洋戦争の混乱で日本人の父親と生き別れてフィリピンに取り残され、2017年にようやく日本国籍を取得できました。 しかしこれまでは、出国に際して、出生時までさかのぼって不法滞在とみなされ、フィリピン政府に日本円でおよそ500万円の支払いを求められてきたということです。 このため、日本大使館がフィリピン政府と交渉を続けた結果、ことし7月に制度の運用が見直され、大使館の証明書などを条件に罰金の支払いが事実上免除されることになりました。