ベトナムは、統計上、日本に比べると貧しい、ということになっている。円に換算すれば、ベトナム人の平均的な給料は、日本人の平均的な給料の数分の一という水準である。ハノイの裏路地では、野菜売りのおばさんが、どこからか仕入れてきた野菜を路上に無造作にならべて、新鮮さを保つために霧吹きで水をときどき掛けながら、客が来るのをじっと待っている。このおばさんは、一日にいくら金を稼げるのだろう。おそらくはたいした金額ではあるまい。日本円で500円とか、そんな程度であろう。 一方で、いまは100年に一度の世界金融危機の真っ只中。日本を出発して、わずか3週間で、日本の平均株価が 30% 下落した。世界の株式市場で、最近1ヶ月だけで、数百兆円の価値が吹き飛んだと言われている。 私は、いま、世界のもっとも貧しい部分と豊かな部分を同時に見ることのできる地点に立っている。 リーマン・ブラザーズをはじめとしたアメリカの投