11日エントリおよびそのコメント欄で、2003年以降の景気回復を輸出主導であると主張するならば、(クルーグマンを含む多くの経済学者が行なったような)純輸出をベースに論考するのは誤りである、ということを述べた。というのは、実質ベースの純輸出というものは交易条件の悪化を織り込んでおらず、交易条件の悪化を織り込んだ名目ベースの純輸出では経済成長への貢献度がゼロに近くなってしまうからである。 これは拙ブログで兼々主張してきたことの繰り返しであったが、同時に、経済成長が輸出に依存したこと自体を否定しているわけではなく、たとえば輸出の投資に与えた波及効果を産業連関分析で計測する、といった手法でその依存度合いを計測することはできるだろう、とも述べた。 上記コメントを書いたときは、漠然と産業連関表を駆使した本格的な研究をイメージしていたが、良く考えてみれば、集計値ベースの大雑把な分析ならばそれほど手間を掛