岩田・飯田『ゼミナール経済政策入門』は非常に便利な政策論の教科書である。上の小田切本にも関連するし、これからしばしば産業政策や産業組織論の話題が今年は頻繁にこのブログでもでてきそうなので整理のためにほぼ引用的に書かせて頂く。皆さんはぜひお手元にこの本をおかれたい。 産業政策とは何か? 「一国の産業間の資源配分、または特定産業内の産業組織に介入することにより、その国の経済厚生に影響を与えようとする政策」である。ここでの経済厚生は総余剰を指す。 具体的な産業政策として岩田・飯田本は3つの可能性を指摘しているが注目しているのは以下のふたつ 1)外部性の存在を根拠として、幼稚産業保護論や産業育成論など、補助金や税制、貿易などへの介入によって特定の産業の育成を図る政策 2)融資などにおける情報の非対称性問題が深刻な経済活動を、情報提供や補助金・税制優遇により支援する政策 である。このふたつが正当化さ