政府は検察ナンバー2の黒川弘務・東京高検検事長について、今月7日の定年を半年延長すると決めた。検察官の定年延長は前例がない。 検察庁法は、検察官は63歳、検察トップの検事総長のみ65歳に達した時に退官すると定めている。今回の措置で黒川氏は、稲田伸夫検事総長の後任に就く道が開けた。 定年延長は検察庁法に規定されていない。野党や有識者から「脱法的な扱い」との批判が出ており、10日の衆院予算委でも議論になった。 検察は行政機構に属する一方、全ての犯罪捜査が可能であり、起訴する権限を原則独占している。社会の公平・公正を守るとりでだ。特に政官界の汚職摘発を期待されている。 このため政治からの一定の独立が求められる。検事総長や検事長の任命権は内閣が持つものの、従来は検察当局の人事方針を尊重してきた。 検察当局は当初、定年となる黒川氏の後任に、同期の林真琴・名古屋高検検事長を次期検事総長含みで充てる考え