中国科学院国家天文台は2019年5月16日、月の裏側で活動中の探査機「嫦娥四号」と探査車「玉兎二号」が、地殻の下にある岩石の層「マントル」由来と思われる岩石を発見したと発表した。初期観測結果の論文は、同日発行の論文誌「Nature」に掲載された。 嫦娥四号が探査している、月の裏側の「南極エイトケン盆地」は、かつて巨大な天体が衝突したできたクレーターで、その衝撃でマントルが表面に露出し、地中を掘らずともマントルの物質を調べることができると考えられている。探査はまだ始まったばかりであり、今後のさらなる探査やデータの分析に大きな期待が集まっている。 月の裏側を探査している「嫦娥四号」の探査車「玉兎二号」 (C) CNSA/CLEP 月にマグマ・オーシャンはあったのか? 嫦娥四号は、中国が2018年12月に打ち上げた月探査機で、今年1月3日に、月の裏側にある南極エイトケン盆地内の「フォン・カルマン