中古車の走行距離を示すメーターを特殊な機器を使って巻き戻し、販売する新たな詐欺商法の手口が岐阜県内で出始めた。車検証に直近2回の車検時の走行距離が記載される仕組みを悪用し、短期間に2度車検を受けて実際の距離が分からないようにしていた。国土交通省は「同じ車で何度も車検にくる人は警察に連絡する」と警戒を強めるが、「車検の申請があれば拒否はできない」(関係者)ため根絶できない状況だ。 県警は6、7月、二つのグループを相次いで摘発、詐欺容疑などで瑞穂市の中古車販売店経営の男ら7人を逮捕した。軽乗用車を中心に計170台を売りさばいたとされ、各務原市の男性などが被害に遭った。 犯行グループは自動車修理業者に走行距離を実際の約21万キロから約3万8千キロに改ざんさせるなどして、1日のうちに車検を2度受け、ネットオークションを通じて販売していた。15万円以下で仕入れた車を30万円前後で売っていた。