旅行記であるが、桁違いの旅行記だ。 旅行の期間が7年半。世界中を自転車で走る。走った距離が9万5000kim。北米・アラスカから旅は始まる。南米の南端、パタゴニアまで自転車で走った後、ヨーロッパに渡る。その後、アフリカを縦断し、中東に戻った後、アジアを走り、日本に戻ってくる。20代で始め、30代になって日本に戻ってくるこの旅に7年半をかけている、というか、どれだけかかったかはとにかく、良くこんな旅をするな、というのが第一印象だった。 筆者にとって旅は感動がいっぱい詰まったものであると同時に、すさまじく、危険も苦労も多いものであった。若くて体力のある人にしか出来ない旅である。 文庫本で300ページ強の本であるが、7年半の旅のほんの一部分しか触れられていない。筆者は、この旅を題材に、あと2冊ほど本を書かれているようなので、そちらも読んでみたい。