人間が知っておくべき常識 クマによる被害の報道が相次いでいる。秋田県のクマ牧場で起きた痛ましい死亡事故は特殊なケースだが、近年は数年おきに異常出没が報じられ、人里に現れたクマが射殺もしくは捕獲されたという話は、珍しくなくなっている。 南は熊本県の「くまモン」から北は北海道夕張市の「メロン熊」まで、ご当地マスコットキャラクターとして人気が高いクマだが、現実の彼らは危険な隣人という側面も持っている。少し山に入ればクマの生息域となる日本で、人間が知っておくべき知識を本書は教えてくれる。 日本のクマには、本州・四国にすむ比較的小型のツキノワグマと、北海道に生息する大型のヒグマの2種類がいる。春に目覚め、6~7月の繁殖期を経て秋に栄養を蓄え、冬眠に入るのが生活サイクルだ。 日本の天然林に多いブナ類の実は、クマにとって重要なエサだが、周期的に豊作と凶作を繰り返す特性がある。これが、秋のクマ出没に大きく