欧米諸国がデフレスパイラルに陥る危険が懸念されており、「次の日本となる」可能性が指摘されている。 デフレの危機が論じられる際に、日本経済が度々引合いに出される。その背景には何があるのか。 【脆弱な金融部門と人口の高齢化】 特に、EU諸国の陥っている状態が1990年代の日本と似ている、と4月29日付のフォーブス誌は指摘している。EU諸国は、2008年のリーマンショック以来金融部門が脆弱化し、人口の高齢化と出産率の減少といった問題にも直面している。大量の不良債権にあえぐ金融部門、人口高齢化と出産率低下等の問題を抱えていた1990年代の日本と重なる。 デフレに悩まされた日本と同じく、EUのインフレ率は5年間で最低の0.5%に下落し、ECBの目標率2%を大きく下回っている。 【積極財政に及び腰】 金融政策の失敗も相似点として挙げられる。ノーベル賞経済学賞受賞者である米プリンストン大学のポール・クル