宇都宮けんじとサラ金最大手の武富士 サラ金業界最大手、武富士 1970年代に団地金融(個人相手)の高利貸しから始まった、かつてのサラ金(消費者金融)最大手武富士。経団連に加盟し、東証一部上場。会長の武井保雄は世界の長者番付にランキングされるなど、日本を代表する大富豪ともいわれた。 サラ金業界がこうして潤う中、消費者の側では、必要以上の高額な貸し付けとその強引な取り立てにより、夜逃げ、自殺者、家庭の崩壊などが多発し、社会問題となっていた。その経営手法は、グレーゾーン金利による高金利を設定して利息を取ることで多大な利益を得るというもの。それは同時に多重債務者を多く発生させた。 サラ金地獄に苦しむ人びとを救うため、宇都宮けんじら弁護士はグレーゾーン廃止、金利引き下げを求めて運動を続けた。しかし壁は厚かった。サラ金業界による政官財界への積極的な工作に阻まれ、グレーゾーン金利は長い間、残されてきた。