2014年06月27日13:00 カテゴリ経済 「内部留保」はなぜ増えるのか アベノミクスの挫折がはっきりしてきた。株式市場だけはGPIFの買い支えでもっているが、4~6月期の小売業販売は大幅に落ち込み、1~3月期の駆け込み需要を帳消しにして余りある。おまけに4月の実質賃金は前年比3.4%減で、インフレで賃下げという傾向がはっきりしてきた。これが人手不足の原因だ。 これに対して政府は成長戦略で「企業統治の強化」を打ち出し、日経新聞によると、麻生財務相は「法人税を下げても内部留保に回るなら何の意味もない」と、財界を批判しているそうだ。こういう精神論が出てくるときは、政策が間違っている。 いわゆる内部留保(利益剰余金)が300兆円を超えたのは、ニューズウィークにも書いたように資本市場が機能していないからだ。この最大の原因は持ち合いなどによる買収防衛策だが、もう一つ意外に見落とされているのは、減