デスクの増谷です。 海外で取材をしていると、思わぬ障害にぶち当たることがあります。そしてそこから、その国の本当の姿が垣間見えてくることがあります。 先月、西アフリカのナイジェリアという国を取材してきました。いろいろな意味でびっくりするような国でした。 詳しいレポートについてはクーリエ7月号の記事(P.66-69)をご覧いただきたいのですが、ここでは記事中に書けなかった話を少しだけ。 今回の記事中に登場する少女アリシア(仮名)への取材を終えたときのこと。通訳をしてくれたナイジェリア人が僕のところへやってきて、こんなことを言いました。 「お願いだから、彼女の名前は出さないで。そして父親の名前も、彼が雇われている家の主人が××人で、△△社に勤めているということも」 何を言いたいのか、すぐにピンときました。その主人というのは誰でも知っている世界的な大企業に勤めています。 「あなたが記
―暴動をツイッターで中継 実名記者ルイス氏の場合 英新聞界のツイッター利用で著名な記者の1人がポール・ルイス(@PaulLewis)だ。昨年夏、ロンドンを中心に暴動が発生したが、このとき、ルイスはスマート・フォンを片手に現場で見たことを次々とツイッターで細切れ報道した。暴動発生から最初の数日間は紙のノートにメモは一切取らなかったという。 細切れのツイッターが1つのまとまりのある原稿に仕上がってゆく。ルイスにとって、ツイッターとは、事件の現場から報道をする際の最初の一歩である。「長い解説用の記事などは、後でじっくり書けばいい」(今年3月、ロンドンのメディア会議での談)。 暴動発生から1年となる今夏、ガーディアンは昨年を振り返る特集記事を掲載した。BBCの記者がツイッターで「そろそろ、新しいネタを探すときじゃないのか?」と書くと、ルイスは「これほどの大きな事件は、11ヶ月経っても議論に値する。
読売新聞西部本社の記者(33)が福岡県警の暴力団捜査について取材したメモを他社の複数の記者に誤送信し、取材情報を社外に流出させたとして諭旨退職となっていた問題で、読売記者の取材源だった福岡県警警務部監察官室の警視が8月6日に自殺を図っていたことがわかった。 読売新聞は8月14日付朝刊で、記者の退社と編集局長ら編集幹部の処分内容を発表し、誤送信の経緯について報じているが、警視の自殺未遂には触れていなかった。 メールの誤送信があったのは、7月20日のこと。読売記者は監察官室の警視から「福岡県警東署の警部補が、暴力団関係者から捜査上の便宜を図った見返りに現金を受け取った疑いで内部監察を受けている」という情報を得た。読売記者はその取材内容を記したメールを同僚や上司に送るつもりで、宛先を間違えて福岡司法記者会に加盟する13社の記者に一斉送信してしまった。 メールを受信した他社の記者からの問い合わせを
先月25日、福岡県警の警部補が、取り締まり対象である暴力団関係者から捜査上の便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして、収賄の疑いで逮捕された。 官・民挙げて暴追運動に取り組む中、県民の期待を裏切るとんでもない事件となったが、逮捕までの裏舞台で、報道関係者が事件をつぶしかねない大失態を演じていたことが明らかとなった。 過熱するスクープ合戦の問題点を検証する。 誤送信された取材メモ 7月20日、報道各社の記者に、読売新聞の記者からメールが配信された。記述は、既に報道関係者の間で噂になっていた現職警官の収賄を示す内容で、取材相手が県警の監察官であることをうかがわせていた。いわゆる「取材メモ」である。 社内向けに送信したつもりが他社の記者に送ってしまったというお粗末なミスだが、配信されたメールの内容は、この日のうちに様々な方面に伝わってしまった。 HUNTERが入手した誤送信された「取材メモ」の
読売新聞西部本社(福岡市)は14日付朝刊で、暴力団関係者との癒着疑惑があった福岡県警警部補に対する捜査状況の取材メモを、誤って他社の複数の記者にメール送信して取材情報を社外に流出させたとして、社会部の後藤将洋記者(33)を諭旨退職処分とすることを発表した。井川隆明取締役編集局長(58)を役員報酬の2カ月30%返上した上で更迭、井川聡社会部長(53)を降格などの処分にするとしている。 同社朝刊によると、後藤記者がメールを誤送信したのは7月20日。のちに収賄容疑で逮捕される警部補に関する県警への取材メモだったが、誤って福岡司法記者会に加盟する新聞・テレビ・通信社計13社の記者に一斉送信した。その後、取材メモとされる内容はインターネットのサイトにも流出した。読売新聞西部本社は7月21日付朝刊で「警部補 組関係者に捜査情報」との記事を掲載していた。
福岡県警の警部補が暴力団と接点のある男から現金を受け取ったとされる贈収賄事件に絡み、捜査関係者への取材結果のメモを、誤ってほかの報道機関にメールで送ったとして、読売新聞西部本社(福岡市)は社会部の男性記者(33)を諭旨退職とする処分を決めた。この問題などへの対応が不適切だったとして、取締役編集局長らも処分する。14日付の同紙で報じた。 メモは7月20日夜、男性記者が捜査関係者に取材した内容を記したもの。同夜、朝日新聞を含む福岡司法記者会加盟の新聞、テレビ、通信社の計13社の記者にメールで一斉送信された。警部補が捜査情報を漏らした見返りに金を受け取った疑いがあることを、捜査関係者が認めた内容で、関係者の所属部署とみられる言葉も書かれていた。 男性記者は取材結果を同僚記者や上司にメールで伝えようとして、宛先を誤って送ってしまったらしい。他社の記者からの指摘を受けて誤送信に気付いた。 続きを
気分,思考,もしくは行動に重度の変化がみられる患者,または生命を脅かす可能性がある重度の薬物有害作用が生じている患者には,緊急の評価および治療が必要である。身体科の外来および入院患者では,精神科医以外の医師が最初に診療する場合が多いが,そのような症例も可能な限り精神科医が評価を行うべきである。 患者の気分,思考,または行動が非常に異常または支離滅裂な場合は,その評価では,まず患者について以下の点を判断する必要がある: 患者自身にとって脅威となっているか 他者にとって脅威となっているか 自身への脅威としては,自己管理能力の欠如(セルフネグレクトにつながる)または自殺行動などが考えられる。精神病性障害,認知症,または物質使用障害の患者では,食物,衣服,および自然災害に対する適切な保護を得る能力が障害されることから,そのような患者ではセルフネグレクトが特に懸念される。 他者に脅威をもたらす患者と
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朝日新聞記者行動基準2006年12月1日制定 2009年2月6日改定□前文 朝日新聞綱領は、権力から独立し、言論の自由を貫き、正確で偏りのない敏速な報道によって、民主国家の完成と世界平和の確立に力をつくすことを宣言している。この使命を達成するために、朝日新聞社で報道・評論、紙面編集に携わる者(以下、「記者」とする)は高い倫理基準を保ち、長年にわたって朝日新聞に寄せられてきた人々の信頼をいっそう高めるように努める。 この基準は、記者が自らの行動を判断する際の指針であり、記者の活動を支えるためのものである。□基本姿勢【記者の責務】 記者は、真実を追求し、あらゆる権力を監視して不正と闘うとともに、必要な情報を速やかに読者に提供する責務を担う。憲法21条が保障する表現の自由のもと、報道を通じて人々の知る権利にこたえることに記者の存在意義はある。【独立と公正】 記者は、自らの職務に誇りをもち、特定の
千葉日報社記者「人命優先だと考え」捜査員に記者腕章貸す 千葉市のバス立てこもり事件で、千葉日報社(千葉市中央区)編集局の男性記者(28)が、現場で荘司政彦容疑者(65)を説得していた千葉県警捜査員の求めに応じ、社名の入った記者腕章を貸していたことが16日、同社への取材で分かった。 同社によると、男性記者は「問題があるとは思ったが、個人の判断で人命優先だと考えて協力要請に応じた」と説明。同社は厳重注意とした。 大沢克之助編集局長は「人質救出を最優先した人道的行為と受け止めているが、記者倫理として慎重、適切さに欠ける行為だった」と話した。 県警によると、荘司容疑者は「マスコミを呼べ。渡したいものがある」などと要求していた。
検証番組放送後の記者会見の冒頭、頭を下げる東海テレビの浅野碩也社長=8月30日午後2時すぎ、名古屋市東区(撮影・越田省吾) 「けっきょく人の不幸は飯のタネだったのか!」 「『つながろう』とか『寄り添います』とか言ってたのはうわべだけか!」 強烈な言葉がネット上に書き込まれている。テレビ番組を送り出す側に対する怒り。テレビの言葉は本音を隠した建前だったのか。災害や事故はしょせん他人事だったのか。そんな不信の嵐だ。 東日本大震災を経て、私たちの生活上の安心感や住民の連帯感が崩れ落ちた。原発事故で政治や企業、専門家などの日本型システムの脆(もろ)さも露呈した。 そんななかテレビには何ができるのか。殺伐とした光景を変え、かすかな光を当てることができないのか。人間の温かみやつながりを取り戻せないのか? 放送を通じ、絆を取り戻すきっかけを作れないのか? そんなことを真剣に考えているテレビ人は
記事一覧 医師への謝礼、医療不信浮き彫り 密室の慣習、双方戸惑い (2011年10月18日午後1時05分) 医師と患者の間で今も続く「謝礼」。日本医師会の職業倫理指針(左下)は「医療全体に対する信頼を損なう」と戒めている(病室とのコラージュ) 手術の前後や退院時、患者が医師へ個人的に渡す現金などの「謝礼」。県内では「昔に比べて減った」とされるが、関係者は「近年では感謝の気持ちより、医療不信の裏返しとして続いている」と指摘する。医師と患者の間だけで行われ「同僚とも話さない」(県内医師)という密室の慣習。双方が戸惑いながら今でも残り、信頼で結ばれるべきはずの両者を揺さぶっている。(柴田裕介) ◆優位な立場 今年4月、県内の病院に入院した30代女性は手術前日、説明に1人で病室を訪れた男性主治医に5万円の現金を封筒に入れて渡した。医師は「ああ、どうも」と、当たり前のように白衣のポケットにしまっ
県子どもの権利擁護委員会は報告書で、男子生徒の自殺後にカウンセラーが複数の生徒から聞いた内容を、大館市教委が両親へのいじめ調査の回答に転用したことについて、「カウンセラーに対する信頼を失わせる行為」と指弾。「カウンセラーの聴取事項を事実の調査に流用することがあってはならない」と答申した。 同市立第一中には、自殺翌日から5日間で、県から計11人のスクールカウンセラーが派遣されたが、同市教委は生徒の同意を得ないまま、カウンセラーに面談内容の開示を求めていた。 日本臨床心理士会が定める倫理綱領では、カウンセリングで知り得た個人情報や相談内容について「守秘義務を第一とする」「対象者の同意無しで他者に開示してはならない」と明記されており、違反した場合は退会や会員活動停止などの処分が下ることがある。 一方、同市教委の高橋善之教育長は「第三者であるカウンセラーが情報収集することで客観性と公正さが確保でき
読者からのタレコミによると、株式会社武田ランダムハウスジャパンが2011年6月に発売した「アインシュタイン その生涯と宇宙」上下巻のうち、下巻の内容になんと機械翻訳された部分が含まれており、回収騒ぎになってしまったようです。しかもこの件に関わった翻訳者がAmazonのレビューで事情を詳しく説明しており、普段はあまり表沙汰になることのないトラブルの中身がわかるようになっています。 まず、これがお詫びの文章。 武田ランダムハウスジャパン - お詫びとお知らせ http://www.tkd-randomhouse.co.jp/news/index_0701.html 平素は小社刊行物をご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。 この度、本年6月に発売いたしました『アインシュタイン その生涯と宇宙』上下巻のうち、下巻の一部に校正・校閲の不十分な箇所がございました。読者の皆様には多大なるご迷惑
地震予知失敗で専門家起訴=過失致死罪で−イタリア 地震予知失敗で専門家起訴=過失致死罪で−イタリア 300人以上の死者を出した2009年4月のイタリア・ラクイラ地震をめぐり、住民に対して大地震の発生を十分に警告しなかったとして、自然災害の可能性を評価する政府委員会メンバーの専門家7人が25日、過失致死罪で起訴された。 イタリアからの報道によると、地元裁判所の予審判事は、大地震発生の数カ月前から続いていた小さな地震を大地震の予兆とみるかどうかに関し、被告らが「不正確で不完全な矛盾する情報」を与えたとして、起訴に踏み切った。初公判は9月20日に開かれる。(2011/05/26-11:32)
尖閣諸島沖の漁船衝突をめぐるビデオ流出問題で、海上保安庁の外部有識者委員会は24日、再発防止策の中間報告をとりまとめた。 委員会は、ビデオ流出の背景に情報管理に対する海保のチェック機能の不備があったと分析。映像を流出させた神戸海上保安部の元保安官は「公務員としての基本的な意識や理解が十分でなかった」と断じた。 広い海域を所管する海保では従来、情報共有のために庁内のネットワークに職員のパソコンからアクセスができた。このため報告書は「故意や過失があっても情報が流出しない対策が必要」と指摘。捜査情報を別のシステムで扱ったり、データを持ち出そうとすると暗号化されて読み取れなくなったりする方法を採り入れるといった対策を提言した。
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