映画への助成金を巡る訴訟の上告審判決後「画期的判決」などと書かれた紙を掲げる原告側の弁護士たち=17日午後、最高裁前 文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」が俳優の薬物事件を理由に出演映画への助成金を取り消したのは違法として、製作会社が交付を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は「不交付は違法」との判断を示した。芸文振側は、交付は国が薬物に寛容との誤ったメッセージになる恐れがあるとし「公益」を損ねると主張していた。 判決は公益について「そもそも抽象的な概念であって、助成対象の選別基準が不明確になり、表現行為に萎縮的な影響が及ぶ可能性がある」と指摘。芸術文化の振興という助成の目的を害するとした上で「憲法で保障された表現の自由の趣旨に照らしても、看過し難い」と厳しく批判した。 映画やテレビドラマで出演者の不祥事があれば、出演場面をカットしたり、代役で撮り直したりするのをよく目にする。主役の